第25話 交易王*古賀さん③

お昼頃、私は起きた。

相変わらず視界はおかしいが、少しは楽になった。

抱いていた程よい固さの枕を手にリビングに行く。

「起きたか」

大きなテレビでゲームをしながら古賀さんは、そう言った。

「起きたよ。この枕寝やすいね」

「やらんぞ」

「ダメか」

枕を戻しに元の部屋に戻ろうとする。

「向こうの部屋のどっかの段ボールにそれと同じやつがあるから持ってって良いよ」

「さすが金持ち」

枕を戻して、段ボールがたくさんある部屋に行く。

「前より増えてる?」

「そりゃあ、増えるよ」

「見つかるかなぁ」

100個くらいの段ボールがある。

枕が入っていそうなサイズの物は20個くらいだが、雑に積まれているので塔が崩壊しそうで怖い。

段ボールも、変な色がついて見える。

物によって違う。

試しに1つピンクに見える箱を抜き取り開けてみる。

中身は赤いルンバだった。

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