第24話 交易王*古賀さん②

タトタ、トタタ、トロン。

タトタ、トタタ、トロン。

「もしもし」

「はい、おはよう」

「そっち行っていい?」

「今から?」

「うん。あと体調悪いから、そういうの用意しといて」

「なんだそれ」

「じゃ、向かうから」

電話を切る。

ちゃっちゃと着替えて、いつもより色の多い自分の部屋を鞄も持たずに後にする。

古賀さんの家は、そんな遠くない。

駅の近くの高いビルだから7分くらいで着く。

ビルは普通に見える。

色もこんな感じだったと思う。

何というか、考えることが多くなっちゃって頭が痛い。

そう思いながらもエントランスで番号を入力する。

扉が開き、ちょっと遠い119の部屋へ歩く。

1分くらいして部屋の前に到着。

貰ってある鍵のカードを使って入ろうとドアノブを握ると、

「早くない?」

と声が扉から聞こえた。握ったドアノブが全然動かない。古賀さんが力を入れて扉を開けさせないように防いでいるみたいだ。

「早くない。開けて」

「部屋ちょっと散らかってて」

「気にしないよ。今は体調がかなり悪いから、アンタのとこのベッドで休ませてくれ」

「え、それだけ?」

ドアノブの力が緩んだので開けて入る。

玄関の扉の前に裸足で立ち、おでこを出してるボブの少女がこっちを見ていた。

「ベッドって奥だよね」

「うん…」

「借りるね」

靴を脱いで、さっさと廊下の奥の部屋に入る。

確かにいろんな服や下着が廊下にあったがそれはどうでもいい。

奥の部屋に着き、2つのベッドを見る。

そして、乱れていない方のベッドに倒れるように入っていった。

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