第23話 交易王*古賀さん①

ダンダダ、ダンダダ、ダンダダ、ダンダダ

音に気づき、目をゆっくりと開ける。

ダンダダ、ダンダダ、ダンダダ、ダンダダ

音は、枕の向こうから聞こえる。カサビアンの『Fire』が流れている。右腕の付け根らへんの筋肉を伸ばし、iPhoneを手にする。

凄く明るい。

液晶の明るさを低くしてるのに、こんな明るかったか?

周りがまだ暗いのもあるか、と考えながらアラーム代わりの音楽を止める。

ベッドから降り、部屋の明かりをつける。

「えっ、何?」

視界がおかしい。

色が多い。

一度目を閉じてみる。

そしてゆっくり開ける。

「これはヤバいんじゃないか」

変わらなかった。

見える景色が普段とは違う事や、色が多く見える事で眼球が凄い疲れるというかダメージを受けてる。

それに、なんでいきなりこんな目に遭っているのかも分からなかった。

1分くらい、気持ち悪い視界を薄目で見ながらどうしようか考えた結果、とりあえずiPhoneで調べようと決めた。

やっぱりiPhoneは何故か画面が異常に明るい。

「ん?」

SNSに通知が来ていた。

誰からだと思って見てみると、そんな時期かと思った。

『今週は自由だ』

その6文字だけを送って来たのは古賀さんだった。

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