第19話桐土スタジアム①

水色。

水色、黒、白、白、水色。

ガッタン。

水色、水色、黒。

水色のレプリカを着ている人が多い。

地域のレ・タフロに対する熱の強さを感じる。

ガッタン。

桐土スタジアムの最寄り駅に着いたので降りる。

水色の乗客も全員降りた。

改札へ向かう行列はほとんど水色で構成されていた。

この水色の矢印に沿っていけばスタジアムに辿り着けるので迷う事はないから安心できる。

水色に書かれた白い数字は何が多いかとか考えながら10分ほど歩いた。

桐土スタジアム入口という交差点に着いたが、まだ入り口ではない。

スタジアムはもう見えるが、出店が左右に並ぶ50mのメインストリートがまずあって、その先に公園、更に先にスタジアムがある。

あの交差点の名前は車向けの物である。

メインストリートは人がギュウギュウになっていた。左右に出店があるので、それの行列が真ん中の通路を狭くするので止まったりする事が出来ない感じの混雑だった。

食べ物を提供する出店が多く立ち並ぶ所である為、主に何かが焼けている匂いや音がこの水色の人々の喧騒をより増していた。

朝の電車内のように混雑したメインストリートの一員となって、前の人が動くと同時に歩くという事をしていると、味噌の匂いが風に運ばれて私に届いた。

風の先を見ると、ストリートの左側に鍋の出店の看板が目に付いた。

寺島さんが言っていた鍋の出店とはここの事かと少しずつ歩きながら、そこの行列に並んでいる人々を見ていた。

すると、水色の中に1つだけ真っ黒な物が目に入った。

上も下も身につけているものが黒で統一されたロングヘアの少女の後ろ姿だった。

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