第9話バラとドクロ⑧

「包装紙を捨ててきて」

寺島さんはウラカタさんにオレンジアメをポケットから出しながら頼んだ。

「いいよ」

2pt目のアメを受け取った彼女は2つの包装紙を持って席を立つ。

ガチャ、バタン

スー

机に右手を付き勢いをつけて、右へと移動する。

束ねた後ろ髪が左の脇腹に軽く触り、

ガンッ

机の下にあるゴミ箱に右足が当たった。

ゴミ箱の心配よりも、ポケットの中をいじっている彼女に聞く方が重要だった。

「ウラカタさん、強くない?」

「いや、強くない」

「そう?」

「こっちが勝手に自滅しているだけ」

「対策は?」

「それくらい自分で考えてよ」

「えー」

「自分の身は自分で守るんだから」


ガチャ

ウラカタさんがドアの方から戻って来た。

「うまいね」

カラコロとアメを転がしながら席に座る彼女。

除外されたカードを手に取りハートの3を寺島さんの所へ渡し、ハートの6を自分の所へ戻す。

「最初の親、梅野さんで」

寺島さんがそう言って、各々が手札4枚を手に持った。

ウラカタさんの対策ってどうすりゃいいんだか

レ・タフロの試合はまだ動いていない。

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