第7話バラとドクロ⑥

親が一周して、ウラカタさんに戻ってきた。

私と寺島さんはカード1枚失い、ウラカタさんは1pt取った状況だ。

ウラカタさんがカードを伏せ、寺島さんも伏せる。

前回同様、ドクロを持っていないフリ作戦のため、またハートの5を伏せる。

ウラカタさんは更に1枚重ねて置いた。

「バラ2」

バラ2か、これを超えるとなるとまたウラカタさんの所を引かなくちゃいけないのか。

ウラカタさんの手元のカードから上の方に視線を移す。

ウラカタさん、何考えてるか全然分かんないんだよなぁ

「パス」

「パス」

ウラカタさんが私に続いてすぐに言った。

寺島さんは自分の所のハートのAを表にした。

そして、すぐさま右手を私のカードに伸ばしハートの5を表にした。


「悩まないのか」

「うん、梅野さんは私の事好きだから」

そう言って自身のポケットからオレンジアメを取り出して開け、口に入れる寺島さん。

突拍子のないことを言われて呆然としていると、

「あれ?違うの?」

と、言って私の方を向く彼女。

大きな黒目がしっかりと私の瞳を見つめてくる。

思わず顔をそらす。


何言ってんだこいつ

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