少女と電車
第2幕 第4話 少女と電車
蒼い空に雲はただのひとかけらも浮かんでいなかった。空気は限りなく澄んでいて、夏だというのに涼やかですらあった。太陽は突き抜けていくような空の真ん中にあり、高く聳え立つ深緑の峰々と若草色の大地に光を降らせていた。
女の子は白いワンピースを涼やかな風になびかせて、人気の無い駅のホームで列車が来るのを静かに待っていた。手持ち無沙汰なのか、つばの大きな白い帽子の影から覗くようにして蒼い空を見上げたり、サンダルに付いたヒールでアスファルトをタップダンスのように踏み鳴らして遊んだりしている。彼女がステップを小さく踏むたびに、首から下げた古ぼけたカメラと、肩に掛けた白い鞄が踊った。電線に止まった小鳥たちがさえずっている。女の子のヒールがアスファルトを鳴らす固い音と小鳥の声が合わさって、静かな音楽を奏でているようだった。
女の子はステップを踏むことに飽きが来ると、今度は列車の車輪が乗せられる細い線路を見下ろした。線路の鉄は敷かれてからもう長いこと、ここで過ごしてきたのだろう。風雨と外気にさらされて赤錆びていた。よくこんな細い線路の上を、あんな鉄の塊が吹き飛ぶような速度で走り、なおかつカーブをしっかり曲がれるものだなと女の子は思った。
やがて、赤色の列車がホームに滑り込んできた。ガタンゴトンと象徴的な音を規則正しく響かせている。やがて細く高いブレーキ音を立てて、ゆっくりと停止する。一様に各車両のドアが開き、乗客を吐き出す。
降りる人が途絶えてから、女の子はホームと車両の間にある溝をまたいで最後尾の車両に乗り込んだ。
座席にはもう、ほとんど人が座っていなかった。この駅でほとんどの乗客が降りてしまったようだ。女の子は一番後ろの席の窓際にお行儀よく座った。肩から下げていた白い鞄の革紐を外し、自分の膝の上に置く。一息つくと、ガラス越しに景色を眺めた。
車両のドアが閉まった。すこしの振動と、身体を引っ張られるような感覚のあとで、列車はそろそろと前進を始めた。眺めている景色がゆっくりと動き始める。
徐々にスピードが上がっていく。
近くの景色はどんどんうしろへ過ぎ去っていく。またあの、耳を心地良く叩くガタンゴトンという走行音が規則正しく鳴り始めた。
あたたかな温度。やわらかな光。寝かしつけてくれる母の手のような、規則的な振動と子守歌のような音。女の子はしばらく遠くに青く霞む山々を眺めていたが、あまりの心地良さに次第に眠くなってしまった。もうすこしこの雄大で繊細な景色を見ていようかと思ったが、まぶたがどうにも上がらない。
心地良い、まぶたが自然と下りてくる、眠くなるなどといった感覚や現象は、すこし前の女の子にとっては理解しがたい、不可思議なことだった。それらが自分に起こるというのは、有り得ないことだった。そういったことを感じるためのものを、女の子は持ち合わせていなかった。それがあるときを境に、突然感じることができるようになった。
最初の方こそ戸惑い、経験したことのない感覚や胸の内の流動を必死に分析しようとしていた。そんな女の子も近頃この自分の奇妙な変化に慣れてきて、逐一気にしなくなっていた。このときも、女の子は自分の身体が動くままに、まぶたを閉じることにした。
特に目的とする駅もなく、乗り過ごすという心配はしなくてよかった。
女の子は、心地良さを胸の真ん中に抱いたまま静かに目を閉じた。
呼吸がゆるやかに、そして深くなっていった。女の子は、良い眠りについたようだった。
♪♪♪
女の子はいつの間にか、蒼い空が大地に広がったかのような、巨大な水鏡の上にぽつんと一人で立っていた。
履いていたはずのお気に入りのブーツが消えて、素足になっていた。いつも胸に下げている古ぼけたカメラも、白い鞄も持っていなかった。白いワンピースと、大きなつばの白い帽子だけは、変わらずに身に着けていた。
女の子は意識がぼんやりとしていたので、これが夢だということを認識するのに多少の時間を要した。くるぶしの辺りまで水に浸かった足は、水のひんやりとした温度を受け取っている。青い大地と蒼い空の他には、自分以外の一切が存在しなかった。はるか遠くで水平線と空が交わっている。その二つの青に、女の子は見惚れていた。
いつもなら胸元にある、古ぼけたカメラを構えようと無意識に手をやる。
だが、虚しくもその小さな手は空を掻いた。女の子は、自分の胸元にカメラが無いことを思い出すと、残念そうに目を伏せた。小さく、息を吐く。
写真を撮りたいと思ったのに、撮れない。どこへも向けようがない、納得できない、まるで出口のない袋の中に空気を入れられ続けているような、そんな、胸を圧迫されている感覚。女の子は下くちびるを軽く噛んだ。自分の胸の内の流動が望むことができないというのは今回が初めてだった。
女の子は胸の中に溢れかえる流動と、出口を探して暴れ回る流動を抑えることができないでいた。呼吸することを忘れてしまう。
だんだんと女の子の息が浅くなってきていた。
女の子の胸に渦巻く流動に呼応したかのように、遠くの水鏡が揺らめいた。
その波紋は一気に女の子の方へ向かってきた。
小さな波が女の子に到達する前に、その波紋を連れて来ていた一陣の風は女の子に吹きつけた。強い風だった。
女の子のかぶっていた白い帽子が、風にさらわれて宙を舞った。
ぼうっと突っ立っていたら、帽子はどんどん離れていく。
我に返った女の子は慌てて大きく息を吸い、帽子を追った。
女の子にとってその帽子は大切なものだった。お気に入りの帽子だった。どこへ行くときも、どんなときも、いつもかぶっていた。この大切にしているものを失ってしまったら、胸にぽっかりと穴が開いてしまうような気がした。そうなることが、大切なものを失くしてしまうということが嫌だった。
女の子は表情を強張らせていた。
飛沫を跳ね上げながら、女の子は必死に駆けた。帽子は彼女からかなり高い位置を飛んでいて、めいっぱい腕を伸ばしてもまったく届かない。下から見上げれば、白い鳥が空を漂っているようにも見える。
バシャバシャと水が女の子に踏まれて飛び散り、彼女が駆け抜けて行ったことを示す足跡が水面に揺れ動いた。
追いかけていると、風が弱まったのか帽子が下の方に降りてきた。
不規則にゆらゆら揺れ動くと、帽子はまるで舞い落ちる木の葉のように水面へ落ちた。
女の子は帽子を拾い上げた。帽子の大きなつばから、水滴が一滴ずつ滴り落ちた。
女の子は濡れているにも関わらず、帽子をしっかりとかぶった。
ようやく、胸の内が落ち着いた。
女の子はその場にしゃがむと、両手で澄んだ青い水をすくった。青いのはやはり空の色を強く映しているだけのようで、女の子の手の中にある水は透明だった。
口に含んでみる。
舌を焼くような、塩辛い水だった。海水のようだ。
ここは海の浅瀬であろうか。以前、女の子の夢の中に出てきた深い海とはずいぶんと違う。四方八方、青い水平線と蒼い空の境界線以外にはなにも無い。
女の子は帽子を脱いで胸にしっかりと抱きかかえると、そのまま仰向けに寝転がった。顔にまで水は迫ってこなかった。彼女の金色の髪が水の中でふわりと広がった。
彼女の蒼い瞳には、彼女の瞳の色にも似た、果てしない蒼穹が映っていた。その蒼はどこまでも蒼く、終点が見えない。
女の子は浅い海に漂いながら、いつまでも蒼い空を仰いでいた。
♪♪♪
夢と現実が交錯するようにして、彼女は重いまぶたを開けた。まぶたを開けるのが先だったか、自分に語り掛ける声を聞いたのが先だったかは、意識が曖昧だったのでいささか判然としない。電車は依然として走り続けていた。
女の子は声のする方に瞳を向けた。黒いスーツを着て、真っ白な髪をした身体の細いおじいさんが、心配そうにこちらを見つめながら立っていた。
「大丈夫かい?」
おじいさんは座席に手を突いて、揺れる電車の中でなんとか立っていた。女の子には、彼の言った言葉の意味がわからなかった。
「おじいさんこそ、立っていて大丈夫ですか?」
「うむ。ここ、座ってもいいかね?」
「どうぞ。」
おじいさんはお礼を言うと、非常にゆっくりと女の子の隣に腰を下ろした。
雪のように真っ白な髪だった。鼻が高く、顔中しわだらけだった。
雪の積もった老木のような人だった。すっかり身体が放つ力は衰えて若い頃の活気や気勢はいまや見る影もないが、それに代わり、長い時を過ごしてきた重厚な迫力がある。顔にはしわが無数に刻まれていて乾いているが、瞳は宝石のように煌めいていた。
「悪い夢でも見ていたのかね?」
彼は正面を見据えて言った。女の子は横目でおじいさんの表情を見つめていた。
「なぜですか?」
女の子が訊くと、彼はわずかに顔を彼女の方に向けて答えた。
「うなされていたからね。それで声をかけたのだが。」
「きれいな夢だったけど、いやなこともありました。」
「そうかい。」
彼はまた正面の座席に視線を戻すと、高い鼻を指で撫でた。
「お嬢ちゃんは見たところ一人のようだが、どこへ行くんだい?」
彼はやはり正面を向いたまま話す。そんな彼を少々不思議に思いながら、旅先で幾度となく受けてきた質問に対して、いつもの通りに答える。
「特に目的地はありません。なにかを探して旅をしているだけなんです。
そのなにかがなんなのかは、わたしにもわからないですけど。」
「ほほう。」
彼は大きく呼吸をしながら天井を仰いだ。
「まるで人生のようだね。」
小さな声で、彼は言葉をこぼした。
「おじいさんも、一人旅ですか?」
女の子の問い掛けに、老人はまた正面を見据えた。
「そうだね。一人。いつの間にか一人旅になってしまったなぁ。」
老人の一言一句は、まるで詩でも読むかのようだった。彼の言葉の端々に、彼の人生の片鱗が見え隠れしていた。彼は、すこし寂しそうな目をしていた。
「私もね、お嬢ちゃんと同じように自分でもわからないものを探しているんだよ。
それは私自身が、自分の問いに答えを出すということなんだけれどね。
私の中にあるはずのものを、諸国を旅して探しているのさ。」
「自分の、中にあるもの…。」
女の子は老人が言った言葉を、自分の口でも紡いでみた。
なにか引っかかる。
それは水のようにすんなりと流れては行かなかった。胸の真ん中で留まる。手が届きそうで届かない、そんなもどかしさだった。
「キャンディー、食べるかね?」
彼がスーツのポケットから白い包みを取り出した。女の子はお礼を言うと、一つ受け取った。さっそく包みを開けてみる。白いキャンディーだった。口の中に入れると滑らかな甘みが口いっぱいに広がった。ミルクキャンディーだった。ころころと口の中で転がしながら、女の子は老人の言ったことを思い出し、考えていた。
「一人旅になってしまったって、どういうことですか?」
女の子は老人の方をしっかりと向いて問い掛けた。そんな女の子の凛とした態度に、老人も真摯に向き合ってくれた。彼は顔だけでなく、身体も女の子の方に向けた。
「人はだれしも一人では生きられない。必ずだれかと共に歩くことになる。
友達、親、兄弟姉妹、親戚、同級生、会社の仲間、恋人、妻や夫、自分の子供、
人生というのは、必ずだれかと共に歩き続けるものだ。だが、私は…。
それらすべてに、置いて行かれてしまったんだよ。そういうことさ。」
老人は悲しそうに微笑むと、また正面に直った。
女の子は老人の言ったことを理解した。
老人は一人になってしまったのだ。
そのことが彼の表情から痛いほどよく滲み出ていた。
彼は失ってしまったのだ。
夢の中ではなく、現実の世界で人を失ってしまったのだ。それがどれほど胸を圧迫し、引き裂くのか女の子には想像もできなかった。いま、自分の胸の内の流動が、老人の静かな悲しみに感応しているのがわかった。それは、いつかどこかで感じたことのあるものだった。
「おじいさん、ご住所を教えてくれませんか。ときどき、お手紙書きますから。」
女の子の言葉に、老人は驚いた顔をして彼女を見た。そしてすぐに微笑んで見せた。
「そうかい。ありがとう。」
彼はスーツの内ポケットから黒革の手帳と銀色のペンを取り出すと、手帳にサラサラとなにごとか書き始めた。そして丁寧にそのページを破って手帳から切り離すと、女の子に手渡した。
女の子は紙を見た。
そこには知らない地名と、老人の名前が記されていた。女の子はその紙をきれいに折りたたむと、鞄の中に大切に仕舞った。老人はまだ手帳とペンを出したままだった。
「お嬢ちゃん、お名前は?」
「オフィーリアといいます。」
「オフィーリア。美しい名前だね。」
胸の辺りがくすぐったかった。だが、悪い気持ちではない。女の子は、はにかみながら老人にお礼を言った。
老人は、女の子の名前を手帳に書き留めたようだった。
♪♪♪
列車が速度を落とし始めた。どうやら次の駅に着くようだ。老人はこの駅で降りるらしく、女の子に別れの挨拶をした。女の子は少々残念ではあったが、彼には彼の向かう場所があり、探すものがあり、自分もまたそうであるということを理解していたので、彼との別れを受け止めることにした。
素直に言えば、まだお別れしたくはなかった。もうすこし話していたかった。彼について行こうかとも考えたが、そのことはなぜか口に出すことができなかった。
列車が完全に停止した。
ドアが開いた。
老人はゆっくりとした足取りで列車を降りた。
降りてアスファルトのホームに立つと、女の子に向かって笑顔で手を振った。
女の子も笑いながら手を振ろうとした。
列車のドアが閉まった。ゆるやかに列車が滑り始める。
すこしずつ、老人が後ろになっていく。
老人はまだ手を振っている。
とっくにミルク味のキャンディーは溶けて無くなった。
女の子は懸命に笑おうとしていた。
手は振れている。
なのに、上手く笑えない。
老人は笑っている。
相手が笑えば自分も笑えて、相手が顔を曇らせれば自分も胸が苦しくなるはずなのに、いま笑いたいときに、相手の笑顔を受け取っても笑顔になれない。
老人はどんどん景色と共に後ろへ離れていく。それでも老人はずっと手を振り続けていた。
やがて老人の姿は景色と一体になって見えなくなってしまった。
とうとう女の子は最後まで笑顔になることができなかった。その代わりに、とめどなく二つの蒼い瞳からきれいな涙がこぼれ落ちた。
女の子は自分の身体になにが起こったのかを理解することができなかった。いきなり視界が滲んで、瞳からしずくが落下した。初めて見る自分の生まれたての涙に、女の子は戸惑った。瞳から落下するしずくを手のひらで受け止めた。透明な水だった。一つ、また一つと、手のひらに涙がこぼれ落ちていく。人形のようにきれいな顔のまま、女の子はしばらく自分の手に降るあたたかな雨を見下ろしていた。
女の子は雨を見るに堪えかねて、瞳に溜まった涙を拭った。だが、拭っても拭っても、次から次へと涙が溢れ出て止まらなかった。
女の子は自分の胸を締め付けるような息苦しさの理由と、自分の身体に起こっていることがまったく理解できなかった。一つだけわかったのは、この息苦しさは嫌だという単純な感覚だった。
列車は走る。木々が、草花が、石垣が、風が、景色が、そして時間すらもが通り過ぎて行った。女の子は涙を流しながら、過ぎ去っていく滲んだ景色を眺めていた。
いつしか、涙は枯れてしまった。
次の駅で女の子は列車を降りた。
降りるのは女の子一人だけだった。
列車は哀愁漂う音を上げながら、また次の駅へと向かって行く。女の子はその列車が見えなくなるまで見送っていた。
女の子は自分が通ってきた線路を振り返った。
曲がり、上がり、下がり、線路は続いていた。
一本の道だった。
太陽はもう、胸を抉る紅い光で景色を焼きながら峰の向こうへ過ぎ去ろうとしている。
いましかなかった。
女の子は、線路とアスファルトの駅のホームぎりぎりに立った。そして、しゃがんで姿勢と視点を低くすると、強くカメラのシャッターボタンを押した。
カメラのさびしげな声が、紅く燃え上がる世界にこだました。
♪♪♪
それからかなりしてからだった。老人の家に、女の子から便りが来た。
老人はいつものようにダイニングルームのテーブルに着いてコーヒーを飲みながら新聞を読もうとした。寝巻のままでコーヒーを淹れて、新聞を取りに行った。そのときだった。
老人はポストの中に、新聞以外のものが入っているのに気が付いた。それは真っ白の封筒だったので、すぐにその存在を認識できた。自分と共に人生を歩んだ、ありとあらゆる人間たちを時間に奪われ、天涯孤独になった老人に手紙を出す者などいないはずだった。
その封筒の雪景色のような白の中に、かわいらしい青い花がひそやかに咲いていた。こんな愛らしい封筒で手紙を送ってくる業者などいない。老人の中に心当たりはもうただの一人しかいなかった。そしてそれを証明するように、封筒には自分の知っている名前と、差出人の住所が書かれていた。
老人は年甲斐もなく踊るように身体を小さく揺らしながら、弾むように歩いてテーブルへと向かって行った。
老人はテーブルに新聞と手紙を置くと、落ち着いてまずはインスタントコーヒーを白いカップに淹れた。それを一口飲んで、封筒を丁寧に開ける。中には薄い水色の便箋が一枚と、写真が一枚入っていた。老人は写真を見た。
写真には遥か地平の彼方まで続いていく線路が映っていた。その線路は紅く燃え上がるような景色の中を緩やかに曲がりながら下り、登り、山際を通り抜けていく。その線路と紅い光が、老人の胸に射し込んだ。
老人は便箋に目を移した。そこにはいかにも女の子らしい、かわいらしい字が書かれていた。老人は手紙を読み始めた。
『おじいさんへ。
お元気ですか。あのときはありがとうございました。
あのとき、おじいさんと話したことはいまでも胸に残っています。
おじいさんが探しているものと、わたしが探しているものは違うみたいですが、
それを探して旅をするというのは同じのようで、なんだかおもしろかったです。
わたしは、もしかしたら、探していたものを見つけられたかもしれません。
なにを探していたのか、それすら不確かなので確信は持てませんが。
おじいさんも、探し物が見つかりますように。
Ophelia, 』
彼は読み終えると、もう一度、最初の方から読み直し始めた。そして、女の子が送ってきてくれた写真をまた眺めた。
老人は満足して、写真と手紙を封筒に戻した。テーブルの真ん中にそれを置くとコーヒーをすべて飲み干して、彼は着替えるために席を立った。
「手紙を買いに行かなきゃならんな。」
彼はそう、嬉しそうにつぶやいた。
→第3幕 第1話へ続く
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