第27話 ハーレム?
長い廊下を歩き3人は食堂へと着いた。瑛斗は朝からあんな事をされて朝食を食べる気にならなかった。しかしその事は2人には言わずに食堂へと入って行った。食堂の席にそれぞれ座り朝食が運ばれてくるのを待った。
ドアが開き朝食が運ばれてくる。葵とアリスの分は普通の量だが、朝昼夕の毎回瑛斗だけ大盛りの料理だった。しかしその量の料理にも瑛斗は慣れてしまっていた、が、この日は珍しく朝からステーキだった。
「朝からステーキか…。重いな」
「確かに…あるかも」
「ステーキ〜!いただきまーす!」
アリスがナイフとフォークを手に取りステーキの一切れを口に運んだ。2人はアリスを顔を引きつらせながら見ていた。そして2人はそれに続きナイフとフォークを手に取り食べ始めた。
しばらく食べていた3人。葵が瑛斗のステーキの乗っているお皿を手に取り大盛りのステーキを一切れに切った。そしてフォークで刺し葵は瑛斗の方向を向いた。
「瑛斗、あーんして」
「ん、あーん」
フォークに刺さったステーキを口に運び、瑛斗はそれを食べた。こんな事をするのは夫婦関係になってからされるのかと思っていたがこんなに早くされるとは思っていなかった。なんだか、瑛斗は若干幸せに感じていた。
「あ、私もやる!」
アリスがそう言い席を離れ瑛斗の元へと来た。そしてステーキを一切れに切り瑛斗の口へと運んだ。2人からあーんをされ瑛斗は幸せに感じていた。2人と付き合っているような感じだった。
「なんか幸せだな…。2人からされるなんて」
「瑛斗だから特別にしてあげてるんだからね」
「うん、そうなのよ。特別にやってあげたんだから」
2人はそう言うと自分たちのステーキを食べ始めた。瑛斗は葵の近くに置いてある自分のお皿を手に取りステーキ食べ続けた。食べながら瑛斗は2人からあんな事をされ2人だけだがハーレムのような感覚を感じていた。ハーレム生活もいいな、と思っていた。
葵とアリスが食べ終わってから数分してから瑛斗が食べ終わり、フォークとナイフをお皿の上に置いた。朝からお腹の満腹になる量を食べ苦しそうに瑛斗はしていた。他の2人は微笑みながら話していた。食器類を重ね、3人は食堂を後にし再び部屋へと戻って行った。
「食ったー…朝から腹にくるな…」
「え、そう?」
「か、軽く言うな…。あの量結構キツイんだぞ?アリス、もうちょっと量を減らせたり出来ない?」
「えー、だめ。男の子はいっぱい食べるの」
「毎食あれはきついよ…」
瑛斗がそう言うとアリスが少し落ち込んだような表情をし瑛斗を見ていた。
「私ね、エイトが食べてるの見るのが好きなの。変でしょ?けどそれが好きなの」
変わった事が好きなアリス。瑛斗はそれを聞き毎食の量が多い理由がようやくわかった。アリスがその事を好きなのは仕方がないと思いそれ以上瑛斗は聞く事は無かった。
葵が話の話題を変え3人で盛り上がる事の出来る話をしながら、3人はアリスの部屋へと戻って行った。この後、3人の身に危機が迫る事などこの時はまだ知る由も無かった。
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