第4話
朝食後、王様は何故か先に退室してしまったので不思議に思いルナに聞いてみると、王様は今日の仲間募集で集まった者達との打ち合わせがあるということで先に出たそうだ。昨日の夜決まったのに早いな、と思ったらなんでも何週間も前から用意してたそうだ。
それから30分後、淹れてもらった紅茶を飲んでいると扉が開き兵士が1人入ってくる。用意ができたので呼びに来たそうだ。
兵士が案内してくれるそうなので僕達は兵士について行って昨日の玉座の間に立つと王様が大きな声で言う。
「それでは未来の勇者候補達よ!入るが良い!」
その言葉と同時に扉が開き6人の男が入ってくる。みんな中々に強そうである。しかし、こんなに人数が必要なのか?
僕は疑問に思ったので王様に尋ねてみると。
「うむ、フユハラ殿達には自己研鑽と同時進行で化け物に対する人族の戦士を育てるのにも尽力して欲しいのじゃ」
なんともまあ、勝手な話である。
呆れながらも僕が一歩後ろに下がると王様は
「それでは勇者候補達よ2人ずつそれぞれの勇者の元につくのじゃ!その後勇者には活動資金を授けよう!」
王様がそう言うと男達は移動を開始するが…僕の元には誰1人としてこない、そして男達を見ると何故か2グループに分かれてじゃんけんをしている。
しばらくすると決着がついたようで明らかに落ち込んだ様子で2人の男がやってくる。
そして、両刃の斧を担いだ男がため息をつきながら僕に話しかける。
「はあ〜、どーも、俺はザイルって言います。そしてこっちの魔法使いがニックです。まあ、よろしく頼むぜ勇者様…」
そう言ってザイルは
いや、こんなの勘弁願いたいんだけど…
そこで僕はいい案を思いついたので王様とザイル達に提案をすることにした。
「王様、僕仲間いりません」
「え!?何言ってるんですか!?解雇とかやめて欲しいんですけど!?」
「働くから!働くから!」
ザイルとニックが慌てたように言ってくる。やめろ!服をつかむんじゃない!そして、チラッと佐伯達の方を見てるんじゃない!
そんなことを考えつつも表には出さずにザイル達を落ち着かせる。
そんな僕を見て王様は言う。
「ふむ、ではどうするのじゃ?」
「僕は仲間はいりません、その代わり活動資金に少し色をつけていただければ、と」
そう、僕が考えた方法はやる気のない仲間の代わりにお金をもらってしまおう、というものだった。それに、蟲剣の性能テストをするのに仲間がいると不都合なのである。
そんな僕を王様がジッと見つめてくるが僕は笑顔で返す。
その状態が1分程続いた後王様はため息を吐いて言う。
「仕方あるまい、そこの2人はサエキ殿とシロカワ殿について行け。そしてフユハラ殿には活動資金銀貨600枚のところを銀貨1000枚にして渡そう。それでは行け!勇者達よ!」
こうして僕達の異世界生活が本格的に始まったのであった。
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