第12話 叔母さんの保存食・和食編

 梅酒の話から、島で育てている果物等の話になり、気がづけば洋食系ゾーンで食べ進めて気が付いたら、お腹のどこにも和食の入る所が無い事に気づいてしまった。


 「見た目よりもお腹に溜まるね…食べた事ない物や、気に入った物はお土産に持っていくといいよ」

 「いいんですか?貴重な物なのに?」

 「うちの奥さんがね、叔母さんに直接習った物もあれば、レシピ本を形見に貰ってるし夫婦二人じゃ食べきれないから美味しく食べてもらった方が叔母も本望だよ」

 「保存食以外は、叔母さんのレシピ通りに私が一人で作れる位だから大丈夫よ~」


 奧さんのホンワカスマイルに癒されながら、お土産を楽しみにした。


 「そしたらお土産包んだり、片づけたりして、終わったら居間に移動して残りの話しようか」

 「そうですね。皆で片づけましょう」

 「助かるわ~」


 洗い物を含めた片づけが終わり居間に移動。


 「おつまみと叔母さんの梅酒をどうぞ」

 「ありがとうございます。九十三は飲まないんですか?」

 「今日は、さすがに一人で買えるのは無理な量のお土産がある奥さんと二人で自宅まで送るよ」

 「そうですよね…これを一人で運ぶのは無理ですよね…送ってもらうにしても送料かかるし…お言葉に甘えさせていただきます」

 「結局本題を離さずじまいでここまできちゃったしね。送るのは迷惑かけちゃったついでだから、気にしないで」


 ね?というように左目を瞑ってウィンクをしてくる。

 他の男性にされたら気持ち悪いけど、九十三さんがするとお茶目になる。


 「本題に入るね。叔母には配偶者も子供もおらず、生涯未婚で資産は島につぎ込んだからあまり残されていない。葬儀は叔母のが生前自分で用意していた費用で遺言通りにうちが行った」

 「思い通りに生きた姿は羨ましくすらあったわね」

 「素敵な生き方だったんですね」


 いまだ叔母さんの底が知れない。


 「で、島に関して遺言があってね、島暮らしに興味のある人に譲りたいとあったんだよ。僕も奥さんも幸い贅沢をしなければ年金と貯蓄でこれからはのんびりと好きな事をして生活出来る目途は立ってるから島を拠点にするつもりはないんだ」

 「ではどなたかに譲るんですか?」

 「亜夢ちゃん住んでみたい?」

 「はい?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


全部食べれるわけないと途中で思いました。


 

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