第8話 帰省

狭い1ルームの部屋にダンボールが積み重ねられていく。


意外といらないものが多い。


連日、引越しの準備に追われていた。


急ピッチで進めた帰省の準備。


帰省しても一人暮らしは続けることにした。


『こっちに帰ってくるならこの家で暮らせばいいじゃない?』


母はそう言ってくれた。


いや、そろそろ年も年だし、マンションの頭金分くらい貯金もあるから下手に賃貸を借りるよりもマンションを買おうかと…。


その後の母との会話は覚えていない。反対することは分かっていた、しかし最後は賛成してくれることも…。


『そのマンションには1人で済むの?誰か一緒に暮らす人いるの?』


いや…まだ、当面は1人の予定だよ。


『そう、それは残念ね』


その、返答だけが寂しげに頭に残った。



次回 1/17 10:00

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