第4話 人生を諦めるな、わたし。

4日目の朝は7:05に起きて、すぐに青野先生のことを思い出して動き出すことができた。昨日の夜考えたコーディネートに着替えて、メイクをして、家を出た。体重が59.9kgで、体脂肪率が36.9%という究極の値を叩き出した。悲しいけど、ここからだ。

職場について、コンビニで蒸しチーズケーキパンを買って、待ったりと朝の時間を過ごして、手術の時間まではレポートを書いたり元彼と連絡を取ってまったりと過ごした。

「最近さ、ほんまにまともな会話してへんわ~」

「思う!こーいう特に中身のない会話にめっちゃ飢えてるよね。」

やはり、同じことを考えている同期は多い。もうすぐ一年目の研修が終わるけれど、この一年で白髪がどっと増えたし、化粧をしたまま寝てしまうことが多かったせいかシミが大量発生したし、ちょっと医学の知識が増えたくらいで女性としては退化してしまった。会話が少なくて、トキメキがなくて、平坦な毎日を過ごしてしまっているのだ。売店でチキン丼を買って食べ終わった後に一眠りしようと思ったら手術に呼ばれて、マスクのなかで口の中を噛んで必死に起きた。私の口内炎はいつも自傷行為の結果できるもので、これを作って少し満足してしまう自分とももぅお別れしたい。手術中に、手袋越しに先生方と手が触れた。なかなか男性の肌に触れるのって難しい。

手術が終わって帰宅したのは20時過ぎだった。おしゃれしたけど、青野先生には会えなかった。コンビニで買った海老ドリアと餃子と唐揚げを食べた後、食パンを1/2斤食べて杏仁豆腐を食べた。過食ってことは分かってたけど、ジムに行くしいいやと思ってそんなにストレスは感じなかったけれど、眠くなってしまった。投資の勉強をしようと雑誌を開いて読んだ。

《投資は9ヶ月分の給料をためてから》

「え、無理やん!投資無理やん!」

一人で雑誌にツッコミを入れて落ち込んだ。10ヶ月働いてようやく2ヶ月分のお給料が貯まったのに、今度のGWに海外に行くと決めているため、かなり厳しい貯蓄状態だ。今後、新しくお金を使うのはやめよう。ポイント、商品券、フリマで稼いだ分のお金を使って生きていこう。過食とタクシーにはお金を使わないようにしよう。

結局、勉強もせずに、ジムにもいかず、お風呂にも入らず、メイクも落とさずにそのままベッドに倒れこんでしまった。

男の肌に触れる、部屋をきれいにする、ジムに行く、自分と他人へのプレゼント、英語、勉強、好きな人に会う試練達成ならず。反省の1日だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る