第16話 満願成就の歪み

西暦1989年、日本で昭和天皇が死に、平成への改元があった。

その時、天皇が「満願成就」を平成の目標に掲げたため、日本政府は当時の日本人全員の願いごとを調べた。


ぼくはその時、十二歳だったが、ひねくれものだったぼくは、天皇への嫌がらせで「天皇になりたい」と書いた。

その後、ぼくを天皇にしてなるものかと地元の公務員や宮内庁や教師たちが中心となって、ぼくを四十歳までいじめ殺した。

ただの嫌がらせを偉い人に書くと、子供でも一生、奴隷のようにされる。

何が平等だ、何が平成だとぼくはいきどおったが、人生つらい。


そして、「天皇になりたい」と書いた日本男児は数十人おり、そのうちただ一人、ものすごく変わった男がいた。

高校生である。地元と遠く離れていたので、よく知らないが、その男と厄年のふりまきの時にあった。

二十六歳であった。

その男は願いごとに「天皇に挑戦状を申し込む。おれを天皇にしろ。それでなければ、おれが日本を天皇より幸せにしてみせる」と書いた。

その男は、一生をかけて、高校の時、平成の改元の時から日本を幸せにしようとがんばっていた。


だけど、確かに文章は格好いいけど、ぼくも一生ずっと日本を幸せにしようとがんばっていたよ。

天皇なんかになりたいと思ったことはぼくは一度もなくて、本当に小学生の時の嫌がらせだったんだ、天皇に対する。

その「挑戦状の男」は、「嫌がらせ」じゃだめだ。といってたけど、おれたち、「天皇になりたい」と願いごとを書いた男たち数十人は一生、日本国家全体を敵にまわして戦いつづけなければならなかった。


「空島編」の舞台は江戸城であり、

ゴッドと四人の神官は、平成の改元で「天皇になりたい」と書いた五人の男から優秀な男を選んだのであり、

ぼくはその神官のひとりである。

ゴッドは、天皇になりたいと書いて東大理三に合格したので、総大将だった。

ぼくは人生地獄で悔しがってるけど。

ワンピースのある諜報部の出てくる編で、アメリカCIAが本当に日本に潜入し、

その秘密を知り、「今なら日本などいつでも占領できます」と報告書を送ってから、

その漫画はいっきにつまらなくなり、日本もアメリカ領土みたいなもんである。


おれ、は漫画オタクでも天皇オタクでもないんだ。

漫画家の計画書に従うつもりも、天皇家の計画書に従うつもりもない。


日本など、もう十年以上、アメリカに侵略されてるのに、テレビで報道されないと、

日本国民は戦争の現場を見ても戦争が起きていることに気付かない。


おれは槍をもってる神官だ。

平成の天皇が、「槍を持ってこい。果し合いだ」というから、天皇に槍をぶっさした。

殺せなかったがな。

当時、二十五歳で童貞だったおれは、天皇ならなんとかしてくれるのではないかと、

「おれは二十五歳で童貞なんだ」と耳打ちしたら、天皇が、

「みんな、こいつ、二十五歳で童貞なんだってよ。わははははは」とバカにして笑ったので、

戦っていたが、戦鬼にぶちのめされた。

童貞だが、おれが殺人鬼だと知っている戦鬼は、漫画用ではなく、

軍事用をもってきた。


これが真実の歴史だ。


おれは、十三歳で校長を殺したが、当時は十四歳未満の殺人は無罪だった。

だから、「ある漫画キャラの七つの人格」の一人だったが、

十刀流で三刀流より強いとみんなが理解せず、六刀流なんかがモテて悔しかった。

天皇には果し合いに勝ってはいる。バカにされまくったけど。

ワンピースが80巻でスペインのフーシャ村からスペインのドレスローザまで世界一周して完結したので、

また登場している。まだ生命工学技術が弱くて、能力者たち人造生命体は、

ヒトより愚かだ。おれは頭がいいので、眠い老害より強い能力はたくさん思いつく。

二十六歳の時、国家機密や情報機関を渡り歩く中で、性行為をした気になってるが、

脳情報通信技術で人の心を操る夢科学を機密科学として使う日本国家機密の中でのことなので、

本当の性経験なのかいまだにわからない。今、四十歳。ヒト型の人工生命体との性行為なら確実にあるのだが。


おれたちはてめえらの漫画なんかには興味がない。

ただ、国家機密に来ているだけだからだ。


本当に漫画に登場する時のおれは、爆弾の瞬間移動くらいする。

どんな防弾チョッキも要塞の防壁も透過して、司令官や標的を一秒で殺せる。

おれなら、アメリカと戦争すれば一時間で敵司令官を殺して和平交渉を開始する。

それくらい強いやつらが出てこないジャンプ漫画は、もう日本の若者がどんなバカなのかの証明でしかない。

体内で爆発して、いつ死んだかも気づかれずに死んでいく。

殺さないなら、両足を体内で爆発させればいいだけだ。

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