第58話 白い女学生VS悪魔

 見知らぬ男の獣の頭部の様に変形した腕。

 その腕に飲み込まれた一人の白い女学生。

「ハハハハ、凄いわ」

 と笑う生徒会長。

「大丈夫です、今やっつけますから」

 僕にそう言ったもう一人の白い女学生。

 そして、その白い女学生が化け物と化した男の前に立つ。

 しかし、次の瞬間にはこの状況は激変していました。


 ドッパーン!

 と、化け物になった男の腕から巨大な蛇がニョロニョロ~と出て来ました。

 破裂した男の腕の血肉がドバーッと辺りに散らばりました。

 ウネウネウネと巨大な蛇は化け物の後ろに居た生徒会長の背後に移動しました。

 気がつくと蛇は消え、生徒会長の背後にはドロドロと赤く汚れた白い女学生が恐ろしい目をして立っていました。

「痛え」

 化け物と化した男が言いました。

「お前は何者だ!」

 僕の目の前に居るもう一人の白い女学生が言いました。

「俺は、悪魔だよ」

「悪魔?嘘だ」

「嘘ではない。それより、お前は何だ?」

 キュッと笑う白い女学生。

「悪魔め、平伏せろおおおお!」

 白い女学生が叫びました。

 すると、化け物と化した男は膝をつきました。

「なんだ?凄い力だな。どうれ」

 悪魔が立ち上がると、先ほどより2倍ほど大きくなっていました。

「こしゃくな」

 白い女学生はそう言うと、その場に一度しゃがみました。

 そして、すぐに立ち上がりました。

 そこには大きさが2倍程になった白い女学生が立っていました。

「ハハハハハ、面白い」

 悪魔はそう言うと、膝を地につきました。

 悪魔が再び立ち上がると、また先ほどの2倍ほど大きくなっていました。

「ハハハ、どうだ?」

 と悪魔が言う間に白い女学生もまた2倍ほど大きくなっていました。

 また、地に膝をつく悪魔。

「おのれええ」

 悪魔が立ち上がると、また2倍ほど大きくなっていました。

「どうだ?」

 悪魔が言う間に、白い女学生もまた2倍ほど大きくなっていました。

 僕はそれを見ながら後ずさりました。

「まだまだー!」

 ついに悪魔は30メートル程の大きさになりました。

 それに立ち向かう30メートルの白い女学生。

 ガシーンと両者は組み合いました。

「やばい、逃げろ!」

 中庭を見ていた学生たちが叫びました。

 悪魔と白い女学生はヨロヨロとして渡り廊下にぶつかりました。

 そして、そのまま渡り廊下を破壊してしてグラウンドの方へ倒れました。


「会長!」

 僕は恐ろしい目をした白い女学生に捕らえられている生徒会長の方に走って行きました。

「会長!また悪魔なんて召喚したんですか?」

 僕は生徒会長に言いました。

「ええ、そうよ。悪い?」

「悪いですよ!前回の事から学ばなかったんですか!」

「だって、あなたが悪いのよ、どうやってあなたと戦えというの!」

「僕と?」

「そうよ、あなたのせいじゃない!」


「大丈夫か!」

 声のする方を見ると、GOレンジャーレッドが立っていました。

「さあ、早くここを離れるんだ。さあ、早く」

 その後ろには5色ほどのGOレンジャーが立っていました。

「巨大ロボ、発進!」

 そんな声がしました。


 すぐに巨大ロボは空を飛んで来ました。

 そして、グラウンドで取っ組みあっている悪魔と白い女学生の所に着地しました。

 そして、巨大ロボは、すぐに白い女学生に蹴り倒されました。

 巨大ロボを足で踏む白い女学生の大きさは60メートル程になっていました。

 白い女学生は両手で悪魔を背中からすくって、そのままパワーボムをきめました。

 悪魔の頭部はちょうど倒れていた巨大ロボの膝に当たりました。

 悪魔の頭部は体を離れ、ゴロゴロと体育館の方に転がって行きました。

 ガッツポーズをとる白い女学生を戦闘機が旋回して攻撃しだしました。

 そして、

「ジュワッ!」

 とそこに現れたのは巨大な赤い宇宙人でした。

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