第47話 兵士が消える
「そう、お子さんがねえ」
白い女学生が言いました。
「ええ、そうなんですよ。もう、かわいくてねえ」
銃を僕達にかまえた兵士が言いました。
もう1人の兵士が僕達の身元をGOレンジャー本部に確認に行っている間、白い女学生と兵士は世間話を始めました。
「この任務の後の休暇に遊園地に行くんですよ」
「まあ、それは楽しいですね」
白い女学生は兵士から兵士についての情報を引き出しまくっていました。
親の名前、家族構成、出身校などなど。
なぜか兵士は白い女学生に次々と答えていました。
「ええ、それで、この任務では私たちを何処に連れていくのですか?」
「いや、それが分からないんです。私たちには知らされていません」
「あら?そうなんですか?でわ、この地下道は何処に続いているのですか?」
「いや、私もここに来たのは始めてで」
「そうですか」
白い女学生は僕を見ました。
「えーっと、遅いですね。帰ってくるのが」
僕は兵士に言いました。
「そうですね」
「どうです、僕達はここから逃げる道も知りませんし、逃げることもないです。ちょっとみてきてわどうですか」
「そ、そうですね」
「心配でしょう」
「ええ」
「さあさあ、どうぞ、行ってください」
兵士は僕達に向けていた銃を下ろしました。
「そうですか。分かりました。直ぐに帰ってきますので」
「はいはい、待ってますよ」
兵士は部屋を出ていきました。
「はー、怖かった。えーっとマリヤさん、どうしようか」
僕は白い女学生に言いました。
「多分ここは地下深くにあります」
「そうだね。けっこう乗っていたし」
「たぶん、逃げても良くありません。だから、まずはお弁当を食べてしまいましょう」
「まあ、そうかな」
僕と2人の白い女学生はお弁当を食べました。
15分ほど経ちました。
しかし兵士は帰ってきませんでした。
僕と2人の白い女学生は部屋を出ました。
薄暗い小さな地下鉄の駅の様な場所はシーンとしていました。
僕達はウロウロと兵士を探しましたが、兵士は何処にも居ませんでした。
他に部屋の様な場所もありませんでした。
「ねえ、マリヤさん、兵士は何処に行ったんだろう?」
「さあ、分かりません」
「マリヤさん、何か細工をしたんじゃ?」
「部屋から出て行く様に言ったのはあなたですよ」
「まあ、そうだけど」
僕達はもう少し待ってみることにしました。
しかし、一時間ほど経っても兵士は戻って来ませんでした。
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