第41話 グレイに助けて貰う

 僕は何かがスルスルと僕の肩を通るような音を聞いてハッと目覚めました。

 僕は肩を見ましたが、そこには何もありませんでした。

 隣に居た白い女学生も居ませんでした。

 僕は部屋を見回しました。

 部屋の中にGOレンジャーグレイが立っていました。

「助けに来たよ」

「はあ、どうも」

 GOレンジャーグレイは相変わらず普通の人間の体格をしていませんでした。

「君一人か?」

 僕は部屋を見回しました。

 白い女学生は何処にも居ませんでした。

「えーっと」

 僕が答えようとしたその時、僕の腰の辺りで何かが動きました。

「あの、多分、僕一人です」

「そうか。本部からは二人が一緒に消えたと聞いていたのだけど」

「はあ」

「まあ良いよ、さあ、地球に帰ろうか」

「ありがとうございます。あの、僕の居場所とかはどうやって分かったんですか?」

「まあ、色々とね」

「はあ」

 GOレンジャーグレイが部屋の壁に触るとそこに縦に長い穴が開きました。

「さあ、ここから出てよ」

 僕はGOレンジャーグレイに言われるままに部屋から出ました。

 するとまた部屋が在りました。

「では、ここで待っていてね」

 そう言うと、GOレンジャーグレイは部屋からすっと消えました。

 部屋にはベッドのような物がありました。

「マリヤさん?マリヤさん?」

 僕はズボンのポケットに手を入れました。

 やっぱりそこには何かが居ました。

 僕がそれをポケットから取り出そうとすると、その何かは僕の手に絡みついて絞めました。

「分かりましたから。じゃ、そこで待っていてくださいね」

 僕は小さな声で言いました。

「やはり、前に宇宙人の子供をバクバク食べていたのはマリヤさんだったか。まあ、今は出てこれないな」

 と僕は思いました。

 僕はベッドのような物に寝転んでしばらく眠りました。


「起きてください。到着しましたよ」

 僕はGOレンジャーグレイにそう言われて起きました。

 GOレンジャーグレイについて部屋を出ると、数人の人影が光に包まれて僕の前にありました。

 ふとその光がさらに眩しく光ったと思うと、僕は暗闇の中に立って居ました。

 僕は少し涼しい風を感じました。

「ここは?」

「ここは君の街の河原だよ」

「あ、河原ですか」

「じゃ、これ、バイト代」

 GOレンジャーグレイは封筒を2枚くれました。

「あ、今回はごまかしたりしてませんから、ご心配無く。あと、あなたの彼女さんにも、会ったら渡しといてください」

「はあ、えーと、あの。あの僕が宇宙に出たのは宇宙船だったんですか?」

「ああ、あれは、まあ、そんなところです」

「はあ」

「ま、実を言うと、良く分からないんですよ」

「はあ、そうなんですか」

「なかなかの発見でしたね」

「はあ」

「それでは、さようなら」

 GOレンジャーグレイの姿は光に包まれて消えました。

 直ぐに、僕の上にUFOが飛び去るのが見えました。


「やっぱり、あいつは宇宙人だったか。まあいい、さてと」

 僕はポケットの中に手を入れました。

 しかし、そこには何も居ませんでした。

「こっちです」

 白い女学生が僕の背後に立っていました。

「あの、これ、バイト代」

「どうも」

 封筒を受け取った白い女学生は封筒を両方の手で持ちそれを胸に当ててモジモジとしていました。

「まあ、無事に帰ってこれてよかったね」

 僕は白い女学生に言いました。

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