第39話 宇宙へ
僕と白い女学生は僕と白い女学生の分身を連れて遺跡の発掘を続行しました。
遺跡の建物に入り、細々とした何かを拾い集めました。
僕達の分身は何でも言うことを聞きました。
「さて、そろそろ昼飯の時間だから戻ろうか」
僕は白い女学生と2人の分身を連れて来た道を戻りました。
「はい、お帰りなさい。こっちにお弁当を用意しているから食べてください」
軍服の男が言いました。
僕達は4つの弁当とお茶を貰って地面に座りました。
弁当の中身は半分がご飯、半分がおでんでした。
おでんはチクワ、コンニャク、はんぺんの3種類でした。
お腹が減っていた僕達は文句を言わずに食べました。
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10組と。はい、みんな帰ってきたようですね。お疲れさまです。今からお昼ご飯を食べて貰って、少し休憩してもらいます。その後、3時間、また遺跡の方に行ってもらいます。よろしくお願いします」
軍服の男が言いました。
「あれ?ちょとまてよ」
僕は気がつきました。
「なんですか?」
僕の声を聞いた軍服の男が言いました
「あのー、この2人は遺跡の中で見つけたんですけど、そうすると、後、1組はまだ帰ってないということになります」
「え?なんですか?」
「ちょっと、よく見てください。ほら、僕とこの人は瓜二つでしょう」
「あ、本当だ」
「あと、彼女と彼女も同じ見た目でしょう」
「本当だ!な、何がありました!」
「いや、何というか、壁の中から出てきたんです。この2人が」
「ええ!そ、そういう事はもっと先に言ってください」
「すみません、忘れてました」
「えー、とじゃあ、どうしようか」
軍服の男は少し考えました。
「まあ、最後の一組はもうちょっと待ちましょう。あと、この2人は私たちが保護します」
僕と白い女学生の分身は軍服の男たちに連れて行かれました。
僕達は弁当を食べ終わってから再び遺跡の中に行きました。
「ねえ、ちょっと遠いけど、あの塔の方まで行ってみないか」
僕は白い女学生に言いました。
「いいですよ」
僕達は緑に光る建物をウネウネと塔を目指して歩きました。
30分ほどで塔に着きました。
塔には小さな入り口がありました。
僕と白い女学生はその入り口から塔に入りました。
入ってすぐの部屋の真ん中に長方形の椅子らしき物がありました。
「ああ、ちょっと休憩」
僕はその長方形の椅子らしき物に座りました。
ふと、前を見るとそこにいたはずの白い女学生が消えていました。
回りを見回しても白い女学生はいませんでした。
塔の入り口も消えていました。
僕は立ちあがりました。
「おーい、し、マリヤさーん。マリヤさーん」
「はい」
「うわああ、ビックリした」
白い女学生は長方形の椅子の様な物に座っていました。
「あなたがこの椅子に座った途端に消えたので、私もこの椅子に座って来ました」
「これはたぶん移動装置かなんかだろうね」
「多分」
「じゃ、もう一度座ると、元の場所に戻れるかもしれない」
僕たちはもう一度長方形の椅子の様な物に座りました。
すると、僕達は今度は小さな部屋に居ました。
その小さな部屋には横に細長い窓がありました。
そしてその窓の前の床に2つ小さな四角形の物がありました。
僕はその小さな四角形の物に立って窓から外を見ました。
「うわー、高い。ここはどうやら塔の一番上なんじゃないかな」
白い女学生も小さな四角形の物に立って外を見ました。
「そうですね、ここは塔の一番上の様ですね」
「あれ?なんか上昇している様な」
僕の見る景色がだんだんと小さくなっていきました。
そして、直ぐに景色は真っ暗になりました。
「え?何これ?」
しばらくすると、緑の山が見えて、直ぐに遠くの空が見えて、白い雲が上から下に行き、青い空がまた現れました。
「え?なんか飛んでないか」
僕は白い女学生を見ました。
白い女学生は窓を無言で見ていました。
しばらくすると、青い空の上の方が暗くなりだしました。
「地球だ。地球が丸い」
僕は眼下に地球の曲線を見ていました。
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