第34話 バイトの募集に電話する

 バイト先のレストランの前で呆然と僕は立っていました。

 バイト先のレストランはつぶれてしまいした。

「給料はどうなるんだろう?」

 僕の隣で白い女学生は僕を見ていました。

「まずいな」

 と、僕は声に出しましたが、心の内では「まあ、まだ借金の集金人が来るまでに7日ある」とは思っていました。

「ああ、面倒くさい」

 また、バイトを探さなければならない。

 期限的に、給料が日当で貰えるバイトを。

 ふと、僕は今朝学校で、隣の席の女の子がバイトに誘ってくれた事を思い出しました。

 GOレンジャーのバイトを。

 僕は携帯電話で隣の席の女の子、実はGOレンジャーピンク、に電話をかけました。

「はい、もしもし」

「えーと、ピンクさん?」

「だれ?」

「あ、僕です。金角ですけど」

「金角?」

「ほら、学校の席の隣の」

「ああ、何のよう?」

「あ、あの今朝のバイトの話なんだけど、あれ、行きたいんだけどさ」

「へー、心変わりが早いわね」

「まあ、ちょっと、バイト先のレストランつぶれちゃって」

「ふーん、じゃ、人事部の電話番号教えるから、そこに電話かけて」

「ああ、そうか、わかった」

 僕はGOレンジャーの人事部の電話番号を教えてもらって、電話を切りました。


「金さん」

 白い女学生が僕に言いました。

「私も一緒に行きますよ」


「はい」

 僕が電話をすると、男の人が答えました。

「えーと、GOレンジャーピンクさんから教えてもらったんですけど、あの、バイト募集しているということなんですけど」

「はい」

「それでですね、バイトしたいんですけど」

「はい」

「それで、二人なんですけど」

「ああ、はい、分かりました。じゃ、明日の朝5時に駅前のXXビル3階に来てください」

「え、朝5時ですか?」

「はい」

「えーっと」

 僕が白い女学生の方を見ると白い女学生はうなづきました。

「はい、分かりました。でわ、朝の5時に」

「はい、あ、あと、動きやすい服を着て来てください。よろしくお願いします」

「はい、分かりました」


「5時だって」

 僕は白い女学生に言いました。



 次に僕はクラスのツーリング友達に電話をしました。

「悪い、ちょっと、明日の朝用事があって、今夜は行けない」

 と。

 ツーリング友達は残念がっていました。


 僕は白い女学生を神社まで送ってから家に帰りました。

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