第19話 百鬼夜行
「やはり、お前達じゃないか!」
僕達のバイクの一団は街に入ると、5人のGoレンジャー達に止められました。
「いやー、そんな、何も悪いことはしていませんよ」
「だまれ、暴走族の集団を潰して、百鬼夜行が街に入って来たと連絡を受けている」
「百鬼夜行?いや、知らないですよ、そんなの」
「知らないことはないだろう」
「いや、まったく、僕達じゃないですよ」
そんな問答をしていると、Goレンジャーの背後から黒い人々の一団が現れました。
そして、その黒い人々はいきなり背後からGoレンジャーを攻撃しだしました。
「ぐわ!」
「やっぱり、お前達かぁぁぁ」
Goレンジャー達の断末の叫び。
「いや、全然僕は関係ないって」
僕は言いながら後ずさりしました。
「本部、本部、応援を頼む!」
Goレンジャーレッドが黒い人たちに足蹴にされながら叫んでいました。
すると、すぐに沢山の大きなヘリコプターが頭上にバラバラと現れました。
そして、そのヘリコプターからロープを伝って色とりどりのスーツを着たレンジャー達が降りてきました。
「Goレンジャーパープル!」
ガシーン。
50色ほどのGoレンジャーが黒い人たちと戦い始めました。
「やばい、逃げよう」
僕はクラスメイトに言いました。
「おお」
しかし、僕達の退路には何時の間にか光る何か大きなものが道を閉ざしていました。
「UFOじゃねえか」
僕達はそのUFOから小さな何かが出てくるのを見ました。
そしてその小さな何かは、僕の方に高速で近寄ってきました。
それは小さな宇宙人でした。
「パパ」
一人の宇宙人が言いました。
「パパ?」
「パパ!」
小さな宇宙人たちは僕の足元に抱き付いてきました。
「おい、ちょっと、待て」
僕はバランスを崩してひっくり返りました。
その時です。
何処から現れたのか、大きな白蛇がバクン!と小さな宇宙人を一飲みにしました。
あっけに取られる小さな宇宙人たち。
更に大きな白蛇はバクンバクンと宇宙人を飲み込んでいきました。
逃げる宇宙人もバクンバクンと飲み込まれていきました。
大きな白蛇は宇宙人を食べ終わると、今度はGoレンジャーの戦いの方に行きました。
「どうなっているんだ?」
僕達はみんな腰を抜かして動けませんでした。
「ぬええええ」
空から変な鳴き声が聞こえました。
「ぬええええ」
「今度は何だ?」
空から大きな化け物が降りてきました。
「鳴き声からして、これがヌエって奴じゃ・・・」
ヌエは白蛇に掴みかかりに行きました。
「うぎゃー」
ヌエに弾き飛ばされてGoレンジャーが一人こちらに降ってきました。
「巨大ロボ、巨大ロボの出動を・・・」
そう自分の腕に向かって言うと黄緑レンジャーは力尽きました。
すぐに空に何かが飛んで来て、ガシーン、ガシーンとぶつかり合いました。
「な、何かが合体している!」
その何かはドーンと地面に降りました。
「ま、マジか、巨大ロボ、来た」
その巨大ロボはすぐに弾けました。
UFOからビームが炸裂したのでした。
ヌエと白蛇が戦っているのに巻き込まれて沢山の黒い人とレンジャーが弾き飛ばされていました。
ヒューン、ドカーン!
遠くからヘリコプターがミサイルを撃ってきました。
「ぬええええ」
ヌエの叫び。
UFOから飛び出たビームはすぐにヘリコプターを爆発させました。
UFOが上昇し始めました。
その上を戦闘機が飛び抜けていきました。
「金さん」
僕は声のする方を仰ぎ見ました。
そこには白い女学生が立っていました。
「早く、私の手を取ってください」
僕が手を取ると、白い女学生は僕を引き上げて立たせました。
「もう、帰りましょう」
白い女学生は僕の手を握って歩き始めました。
「後ろは振り返らないで下さい」
僕と白い女学生は惨劇の現場を背にして歩き始めました。
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