第17話 GOレンジャーとの再会

 国道を町に向かって走っていた30台ほどのバイクが、速度を落としました。

 そして次々とドライブインの駐車場に入っていきました。

 道に誘導灯を持った警備員が居て、僕達をドライブインの駐車場に導いたのでした。

「なに?工事中?」

「分からん。検問かもしれんけど」

 駐車場に入りましたが、他に出口も無いので僕たちはそこに駐車してバイクを降りました。

 今入って来た入り口を見ると、警備員が柵を置いていました。


「現れたな!金角!銀角!」

 僕は声のする方に振り返りました。

「GOレンジャー、レッド」

 ガシーン。

「GOレンジャー、グリーン」

 ガシーン。

「GOレンジャー、イエロー」

 ガシーン。

「GOレンジャー、ブラウン」

 ガシーン。

「GOレンジャー、ピンク」

 ガシーン。

「行くぞ!」

 5人のそれぞれの色のスーツを着た人たちが僕達の方に走ってきました。

 そしてポカンと見ていたバイク乗り達を攻撃し始めました。


「待て待て待て待てー!ストップ、ストップ!」

 僕は前線に走っていきました。

「おい、ピンク!おい、ピンク!止めろ止めろ!僕たちは怪人じゃないぞ!」

 僕はピンクの前に出ていきました。

「金角!」

「待て待て待て、僕だ、僕だ!ほら、クラスメイトの」

 ピンクは僕を蹴ってきました。

「うわ!いて!」

 ひっくり返る僕。

 バイク乗り達は方々に逃げていました。

 そして5人のレンジャーに僕は囲まれていました。


「ちょっと待て」

 レッドが言いました。

「何かが変だ」

「確かに」

 グリーンも言いました。

「何時もの黒い奴等が出てこないな」

「そういえば」

 ブラウンも言いました。


「ま、待って」

 僕は声を振り絞りました。

「ピンク、ピンク、僕だ」

 しばらくピンクは僕を見ていました。

「あれ?」

 ピンクは僕に気がつきました。

「あれ?あなた何しているの?こんなところで」

「ツーリングだよ」

「ああ、そういえば学校でそんな事言ってたわね」

「ん?ピンク?何を話しているんだ?」

 レッドが言いました。

「ああ、レッド。ほら、この人、この前の時に死んでたけど生き返ったっていう」

 レッドもしばらく僕を見ていました。

「ああ!あれ?どうしてここに?」

「ははははは、勘弁してよ」

 僕は体から力が抜けてしまいました。


「金角!」

 白い女学生の声がする方に僕は振り返りました。

 僕はすぐにまた緊張しました。

 白い女学生は魔法瓶を手に持っていました。

 そして彼女の体に黒い闇のオーラがまとわり付いている様に見えました。

「待った待った、えーっとほら、、お銀さん!」

「GOレンジャーレッド!」

 白い女学生が叫びました。

「うわあああああ、お銀さん、もう大丈夫だから!」

 僕は白い女学生に走っていって彼女を抱きしめました。

「金さん?」

「もう、大丈夫だから!」

 白い女学生から黒い闇のオーラが消えていきました。

 白い女学生は魔法瓶にフタをしめました。


「なあ、レッド、やっぱこいつ等じゃないの?服に金角銀角って書いてあるよ」

 イエローが言いました。

「いいえ、それはないわ。この人は私のクラスメイトなの。人間よ」

 ピンクが言いました。

「まあ、確かに、俺も知らない人間ではない」

 レッドが言いました。


「いや、すまなかった。どうも、何か手違いがあったらしい」

 レッドが僕に言いました。

「はあ、まあ」

「本当にすまなかった。では、夜の国道は安全運転でな」

「はあ、どうも」

 そう言うと、GOレンジャー達は何処かに去って行ったのでした。

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