第11話 天体観測でUFO降りてきた

 僕のバイトが終わった後で、父と妹が車で僕を迎えにきました。

 僕と白い女学生は車に乗り込みました。

「ええと?この人は?」

 妹が僕に聞きました。

「一緒にバイトをしている人なんだけど。天文部のことを話したら、ぜひ一緒に行きたいって言うからさ」

「よろしく」

 白い女学生は言いました。


 妹の中学校につきました。

 父は家にテレビを見に帰りました。

 僕と妹と白い女学生は校庭の方に行きました。

 そこには20人ほどの人が居ました。


 女子中学生が一人、僕達の方にきました。

「あ!お兄様、良く来てくれました」

「はあ、どうも、こんばんわ」

「何時もお兄様のことは色々と聞いておりますよ」

「はあ?そうなんですか?」

 僕は妹を見ました。

「今日は、夜遅いので私達だけじゃ不安だったんです。きてくれてとても感謝してます」

「いや、どうも。で、星の観測の方はどうですか?」

「えっと、あちらの方で今土星を観ているんですよ」

「へえ、凄いですね」

「お兄様もどうぞ、一緒に観測しましょう」

「あ?そうですか?」

 僕たちは女子中学生の後について天体望遠鏡のある所までいきました。


「うわー、これは凄いですね。僕、土星の輪を初めてみましたよ」

 僕と白い女学生は2人で交代に天体望遠鏡を覗きました。


「えっと、ちょっと部員でミーティングがあるんで、失礼しますね」

 女子中学生は言いました。

 その後ろに椅子を持った女子中学生が2人立っていました。

「あ、椅子があるんで座ってください」

「あ、どうも」

 僕と白い女学生が椅子に座ると妹と中学生たちは去っていきました。


 しばらくして。

「ねえ?」

「ん?」

「地面に何か線がひいてあります」

 白い女学生が言うので僕は地面を観ました。

 確かに地面には線がひいてありました。

 それは僕達を囲むように円になっていました。

「弁当屋、弁当ら」

 何処からかそんな声が聞こえてきました。

「弁当ら、べんとら」

 声のする方を見ると人々が暗闇で円になっていました。

「ベントラー、ベントラー、宇宙人さん、降りてきてくださーい」

「ベントラー!」

 人々は何か儀式めいた事をやっていたんです。

「何をやっているんだ?」

 思った瞬間に強い光が上から僕達を照らしました。

「来た来た来た来た来たー!」

 女子中学生が叫んでいました。


 何かが僕たちの上で強い光を放っていました。

 僕は手で目を覆いました。

 誰かが僕の右手を目から引き剥がしました。

 そしてその誰かは僕の右手に何かを握らせました。

「何だ?」

 僕は目を少し開いてみました。

「あ?グレイだ!」

 それは宇宙人のグレイだったんです。

 グレイは僕にヘコヘコとお辞儀をしながら後ずさっていました。

 しばらくするとグレイは光の中に包まれて僕の視界から消えました。

 そして突然に光は消え、僕は元の夜の闇の中に居たんです。


 なんだったんだ?

 僕は右手を見ました。

 僕の右手に1万円札が2枚握られていました。

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