第6話 学級委員長になっていた

 教室に入り、自分の席に付いてから、僕は隣の席の女の子に声をかけました。

「おい」

「なに?」

「バイトは3万だって書いてあったけど、僕の手には1万しか握られてなかったぜ」

「え?何の話し?」

「とぼけるなよ。お前、昨日、居たじゃないか、あの現場に」

 そう、彼女はGOレンジャーのピンクなのです。

「・・・偶然よ」

「いや、違うだろ。また僕をはめただろ?」

「知らないわよ、偶然よ」

「僕がよんでいたアルバイト雑誌はこの教室の後ろのロッカーの上で発見した物だ。お前だろ、あの雑誌をロッカーの上に置いたのは?」

「ドキ!」

「なんだよ、ドキって」

「まあ、そうなんだけど。外部の人間の協力が必要だったのよ」

「で、また僕かよ?」

「いいじゃない、お金が必要だったんでしょ?」

「いや、まあねえ。けどあれじゃあ、1万じゃ割に合わないというか」

「分かったわよ。あとの2万は本部の方に言っておくわ」

「おお、たのんだぜ。あとさ、」

「何?」

「あのグレイの人は人間なの?」

「たぶんそうよ。今回始めてグレイと組んだんだけど、レッドがグレイはかなり昔から組織に居るって教えてくれたわ」

「ふーん、そうか」

 キーンコーンカーンコーンと予鈴がなりました。

 このクラスの担任の先生が教室に入ってきました。


「今日の放課後、生徒会委員会があるから、学級委員長は生徒会室に3時半に行ってください。連絡事項は以上です」

 すぐに先生は教室を出ていきました。

「学級委員長って誰なの?」

 僕は隣の女の子にききました。

「あなたよ。あなたが居なかった2週間の間に決まったのよ」

「ええ?僕が?」

「ははは、頑張ってちょうだいね」

 何時の間にか僕はこのクラスの学級委員長になっていたのです。

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