第2話 エイリアン・アブダクション
僕は気がつくと家の前に立っていたんです。
「ああああ、生きていた!」
母が僕を抱きしめたとき、僕は我に返りました。
「あれ?あれれ?」
すぐに僕は自分の体を調べました。
体にはショッカーに切られた傷など1つも在りませんでした。
「2週間も何処に行っていたのよ!」
「ええ?2週間?」
いつの間にやら2週間が過ぎていたのです。
その間の僕の記憶はまったくありません。
そうそう、僕には中学生の妹がいます。
「ねえ、お兄ちゃん、2週間も何処に行ってたの?」
「いや、まったく記憶が無いんだ。何処に行っていたんだろう」
「ねえ、私が催眠術をかけて調べてあげる」
「ええ?何だよそれ。嫌だよ」
「私の催眠術でお兄ちゃんの覚えてない記憶が分かるかも知れないよ」
「うーん、そうか?本当にできるのか?」
「だいじょうぶよ。任せて」
「じゃ、お願いしようかな」
僕が目を開けると妹は青くなってうつむいていたんです。
「どうした?何か分かったか?」
妹は何も答えません。
「おい、どうした?大丈夫か?」
ふと、目の前のテーブルにあるノートに目が止まりました。
「あれ?これってグレイじゃないのか?宇宙人の・・・」
「やばいよ、お兄ちゃん。お兄ちゃん宇宙人に連れ去られて・・・」
「ええ?」
「なんか女の人とやったって」
「えええ?」
「目だけがグレイの女の人とやったって」
「ええええ?何をやったって?」
「うわああああん」
妹が泣き出してしまった。
サーッと僕の頭から血が引いていきました。
このノートに描かれているグレイの目をした女と重なり合っているのは僕なのだろうか?
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