巻き込まれる一般人

朝野風

第1話 死にました

 春です。

 全てが新しく始まります。


 新しい学校に入学した僕は調子がよかったんです。

 隣の席の女の子に携帯電話の番号を聞かれたので教えました。

 どのような話の流れでそうなったのか、まったく覚えてません。

 僕はかなり舞い上がっていました。

 その子はそれくらい可愛かったということです。


(ぴろぴろぴろ)

 学校が終わって、新しい友達と部活などを見学してから学校の門をでる時、携帯電話が鳴りました。

 メールが来ています。

 今日、僕が携帯電話の番号を教えた女の子からです。

「助けて!駅前のビルの裏に来て」

 と、「ええええ?」


 どうしたものかと少し考えましたが、僕は駅前に駆けつけたのです。

 駅前のビルとビルの間の通路の奥に女の子の姿が見えました。

 僕はその通路を走って女の子のところに行きました。

「えっと?」

 女の子の視線の先には、全身黒タイツのスーツを着た変な人達が沢山居たんです。

「あれ?ショッカー?ショッカーだよね?」

「え?なんであなたがここに居るの?」

「いや、助けてって君からメールが来たんだけど」

「え?あなたに?」

 女の子は携帯電話を取りだして何やら調べました。

「あ!間違えた」

 顔が青くなる女の子。


 ショッカーの人達に混じって怪人が居たんです。

「えーい、何をゴチャゴチャと!その男も殺してしまえ!」

「キェー!」

 僕はいきなり刀で滅多切りにされました。

 仰向けに倒れて薄らぐ意識の中で、ピンク色の全身スーツを着た人がショッカーと戦っています。

「ピンク大丈夫か!」

 赤い人もきました。

「ゴメーン、なんかメールする人間違えちゃって」

 赤い人が僕を見下している。

「そうか・・・。あちゃー・・・。まあいい。じゃ行くぞ!」

「ハイ!」

 暗くなっていく視界の中、色々な色が増えて戦っていました。

 そして、そこで僕の意識は真っ黒になってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る