グリ無能ツ

@uityouuu

第1話 ぐりむのーつ

「混沌の渦に飲まれし語り部よ、我の言の葉によりてここに調律を開始せし!」


少女の持つ大きな本から生まれた青い蝶は歪められた世界を修復する。

そして、旅人達は誰にも覚えられることなく霧の中に姿を消すのであった。

しかし、忘れられるのは旅人達だけではない。 

旅人もまた忘れるのだ。 出会いや目的、自らの宝物を。


この物語は旅人の手記ではない。 この物語は神の遊戯ではない。

この物語は人々の台本ではない。


彼らには運命の書はない。 彼らには身体はない。

しかし彼らには強い意志がある。 彼らには魂がある。


忘れられるその時まで彼らは戦い続ける。 


この物語は英雄達の備忘録である。


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「おい? こんな感じでいいか? オレ忙しいから、もう寝たいんだけど、、?」

緑色の髪の青年からひったくるように小屋に集まった英雄たちは一枚の紙を奪い合う。


「ヒョイ!! へっへー  砂漠の不良は泥棒も得意なんすよ!! 代表してオレが読ましてもらうっす! 混沌の渦に、、、」


「おい! 声に出して読むな! オレは絵を描く方専門だから文才は無いんだって!!」


「彼らには運命の書はない。 彼らには、、」


「やめろーー!!(バタリ)」


「、、、英雄達の備忘録である。  グリムさんスゲーっす!! オレだけの物語も書いて欲しいっす! あれ?グリムさん??」


「グリムなら、そこで泡を吹いて倒れておるぞ??」 「だれかリジェネーーェェ!!」 「ぼくがするよっ! ラァッ、、」 「ヨリンゲルのリジェネは私だけのものよ(グサッ)」 「グリムさんがぁ! 死んだぁ!!」 「王子様のキスで目覚めるんじゃない?」


「「「ヴァルト王子を探せぇ!!」」」


ここはヒーローの住まう箱庭の王国。 

彼らはコネクトされるとき以外はここに住まう。


彼らは何者にも縛られず、自由に暮らす。 

忘れられ存在が消えるその時まで、、、




「????」

「どうしたのエクス?」

「新入りさん 早くコネクトしないとヴィランにやられますよ?」

「、、、グリムに、、コネクトできないんだ、、」

「坊主! 誰でもいいからコネクトしろ!!」

「う、うん、、!」


久し振りだねエクス、、もうコネクトしてくれないと思ってたよ、、、さあ一緒に叫ぼうじゃないか!!!


「「ラァァッブ!!」」



その日、エクスは死を覚悟した。


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