中学生編
入学式。
俺は校則をまったくしらなくて、ヤンキーでもないのに茶髪・真っ赤なインナー・真っ赤な靴下で入学した。
ソッコーで先生に怒られるし、『ツバサの弟か……』とみんなに目をつけられるはで大変だった。
クラスが決まって、教室内にいると
『ツバサくんの弟おる?』と、金髪に色とりどりのインナー3人集が入ってくる。
『よばれてるで……』と恐る恐るクラスメートに言われ、ドアのところへ向かう。
『どうも。はじめまして。よかったら、今度他校に喧嘩しにいくんで、一緒にいきませんか?』となぜか敬語で物騒な事に巻き込まれそうになる。
『いや……喧嘩とか興味ないし、悪いけど止めとくわ……』と断るとすんなり受け入れてくれ助かった。
タバコすってるんか、とか、今度先輩に挨拶回りいこうと誘われて、行くことになる。
そこから一番仲のいい【ミナミ】と自転車二人のりして、3人集とよくつるんでた。
髪の毛をマッキンキンにするためハイブリーチしたままの3人集と外出歩いたり
そいつの兄貴のとこに挨拶いったら、『ツバサくんの弟やんな?ヨロシク!』言われたり。
ゲームセンターにいって、メダル落とすゲームの機械を人がいるのをお構いなしに蹴り飛ばしてメダルとって、何食わぬ顔でメダルゲームで遊んだり
スロットの景品を盗んだりと、なんやかんや悪さしまくった。
楽しかったっちゃ楽しかったが、決して俺は不良ではない。
今となっては、申し訳ないことしたと思ってる。
【よくある誰かしら倒れるやつ】
最悪な1日があった。別に体調悪かったわけではない。
朝の朝礼があった。
ずっと立って話し聞くわけだが……朝礼が始まって何分たった頃だろう…
だんだん気分が悪くなってくる。
しかし気分悪いですとかよう言わんかった俺は、我慢し続けた。
変な汗がダラダラと流れ続ける。
もうあかん!!
そう思った俺は前の子の肩を叩き「ちょ…気分悪いねん…。」
その台詞を言った瞬間に俺の意識は飛ぶ。
一度目を開けたが音がなにもきこえず、ただみんなの足がずらっとならんでるのをみてた。
そして次に気づいたときにはみんな居なく、俺は体育館の隅の段に移動されていた。
保険の先生が倒れてる俺をうちわで仰いでくれていた。
「あ、すんません。」そう言った俺は ちょっと間寝ころんでいた。
この日を境に貧血、立ち眩み等が激しくなった。
【親友になる男】
同じ小学校に通ってた男がいる。
名前は【ミナミ】
ミナミは小学校の頃、違う学校から転入してきた。
髪の毛を青に染め、昼から登校してきて給食食べて帰るわような奴だった。
俺は、そんなミナミが嫌いだった。根が真面目だからだ。
中学校に上がった俺は金が欲しくてゲームを売りたかった。
ミナミがゲーム屋の店長と知り合いで高く買い取ってくれると教えてくれる。
ミナミと一緒にゲーム屋に行き店長と仲良くなり。
いつしか俺とミナミは周りからホモ疑惑があがるぐらいに2人で1人になっていた。
【きっかけって大事】
ある休憩時間。
となりに女の子が座っているので、暇な俺は
変な顔して笑かしていた。
たぶん中学入って最初に仲良くなったのはこの子だろう。
違う小学校から来た女の子。名前は【サワ】
なんとなく雰囲気が あれなんで、俺は【サワさん】と呼んでいた。
すごいスピードでサワさんのツレ等ともどんどん仲良くなっていく俺。
俺とニコイチのミナミも、もちろんみんなと仲良くなっていった。
また別のある休憩時間。
サワさんのツレ等に聞かれる。
「キッツンって好きな子おるん?」
なんとなく俺は答える。「おるよ」と
別にいて無いのに何故そう答えたのか意味不明…。
俺らは誰がみても友達と呼べるまでになっていた。
仲良くなってきた俺らはグループでボウリングに行ったのを覚えてる。
このグループの中から俺を好きになったという女の子が現れる。
いつしか俺らは付き合い始めた。
【恋愛は友情を越える】
みんな携帯を買って貰ってる中、俺は中古のパソコンを買って貰った。
そんな中、ミナミはサワさんを好きになっていたことを知る。
「言わんといてや!!」と言われるが、言いたくなるのが俺。
サワさんのメアドを知っていた俺は慣れないパソコンのキーボードを人指し指でポチポチ
「ミナミなぁ…サワさんの事好きなんやってぇ」
それがきっかけか、いつしか2人は付き合い始める。
何気に嬉しかった俺。
しかし、これから起きることを考えてなかった俺。
ミナミといつだって遊んでた俺。腹割って話せる奴もミナミだけだった。
でも、サワと付き合い始めたミナミは、俺とめっきり遊ばんなった。
1人取り残された俺は不安に狩られ遊べる奴を捜す。
小学校の時、無視をし続けたカトウとそのグループに入っていった。
無視をしていた俺をカトウらは何のためらいもなく迎えてくれた。
カトウのツレ等とも仲良くなっていく俺…
孤独や寂しさから解放され、ただ幸せで楽しかった。
【性欲モンスター10代】
俺ら家族は古くさいマンションに住んでいる。
兄貴は団地を当てて彼女と暮らしている。
なので兄貴の部屋だった一室は俺の部屋として使っていた。
ある日
俺と仲が良かった女の子【イケダ】がいた。
夜中…っても朝に近かった時間に呼び出され
迎えに行く。
朝には学校なのでイケダは制服を着ていた。
俺の家に遊びに来る。
スカートがかなり短いイケダ。ギャルとヤンキー入っちゃってる女の子。
わざとかしらんが、ベッドにのり壁に持たれてる俺に背を向け、飼ってる猫を前屈みでよしよしし、パンツはもろ見えるわで
思春期の俺には全てがやばかった。
俺のエロビデを観たい!と言うので見せてやると
「やばい…濡れてきた…」
そんな事も平気で言う奴だった。
まてまてまてまて童貞な俺には刺激が強すぎる。
でも嬉しいみたな葛藤。
そして、とある休みの日
イケダが家に遊びに来た。
最初は普通に会話してたんだが家に俺ら2人以 誰もいなく、すごくいい雰囲気へ…
イケダは壁にもたれてあぐらかいて座ってる俺の上にまたがってきて…ディープキスされる。
俺のあれは舐められて俺はイケダのあれを下着越しに触り。
すごいぐちょぐちょになっていて、これが本物か!と感動と同時に、すごい興奮した。
これを越える興奮は一生ないかもしれん。
全てが初の経験やったが、しかし何故か本番までは行かなかった。
それ以来俺らは遊ぶことも声かけることもなくなった。なんだったのか?
てか、それ以前に彼女いてんのに俺は何してんの?
と同時にやっときゃよかったの後悔。
【店長】
ゲームショップの女店長と仲良くなった俺とミナミ。
ミナミは頻繁に店長の家に泊まりにいったり遊びにいったりしてた。
ニコイチの俺も頻繁に遊んでた。
ゲームショップの店長だけあって、ファミコンなどそろってて、よくゲームしてた。
俺の家にも突発で泊まりに来たときがあった。
ジャンプで連載してたエロいマンガの単行本や、エロ本などを急いで隠した。
でもバレて、恥ずかしかった。
着替えがなかったのでスエットのズボンを
店長に貸して3人で川の字になり寝てた。
俺は店長に抱きつき、店長のアソコを手繰ってた。
店長は嫌がる素振りもなく、抱き返してくれていた。
次の日に解散して、そのスエットの裏地の匂いを嗅いで一人で事に及んだ。
いつものようにミナミと二人乗りでショップに向かってダラダラと閉店までいたとき、店長の男友達が車で来た。
ミナミはどうやら既に知り合いのようで、仲良く3人で話しているのをみていた。
3人はボウリングにいくことになったようで、俺だけなぜか取り残される事になった。
すねた俺はミナミのチャリを乗って帰った。
すごく寂しかったのに強がって、何食わぬ顔でバイバイした。
気がつけば付き合いがなくなり、ショップから店長もいなくなった。
【おかん】
俺はハイツの1階に住んでいて、自室の部屋にちょっとしたベランダがあり
精神病のおかんを起こすのが嫌だったから、そこから夜な夜な出入りしてた。
そんなある日の朝方。
ベランダから戻ろうと鍵を開けてある窓をスライドさせると、
薄暗い部屋の中、おかんが真顔で目の前にたっていた。
俺はビクッ!っとなりながらも、
「ごごごごごめん!!」
と何故かとっさに謝った。
おかんは真顔のままその場で後ろを向き、無言のまま自分の部屋の方へ向かっていった。
精神病患者こわい。
【おかんpart2】
深夜。自室で寝ていた。
なにか違和感を感じ、目をあけ、ベットから床を見ると
おかんが寝ていた。
「おい!なにしてんな!勝手に入ってくんな!」
と反抗期真っ只中の俺。
「…ごめん…さみしいから……お願い…」
と鳴き声のおかん。
しかし、うっさいわ!と蹴散らし出ていかす。
明くる日。
また深夜に寝ていると、首に違和感が。
バッ!と起きると
おかんに首を絞められていた。
動揺しすぎて声もだせない。
おかんはスーッと部屋へ戻っていった。
どうなってんだ。俺の親は。
【引っ越し】
おかんが団地を応募していた。そして当たる。
急遽、俺ら家族は引っ越しする。
中学からはちょっと遠くなっただけだったので転校は避けられた。
出来立てで綺麗し、全然来たことない町なので新鮮な感じで、最高だったのを覚えてる。
でも最初は学校の行き道が解らなかった。
やばいぐらいの方向音痴はこの頃から気づいた。
【自分勝手な恋愛】
俺は彼女が居るというのに、カトウたちグループにくっついていた。
海へも行った。俺の家にも泊まった。
彼女からすれば不安になってしかたなかっただろう。カトウは女だから。
結局、カトウに惹かれた俺は手紙一枚で彼女と別れカトウと付き合うことになった。
これが、なければ
きっとここまで人生は狂わなかったのかもしれん。
辛い辛い長い時間が始まりを見せていた。
【性欲モンスター10代だけど性に敏感なお年頃】
俺がふと「長い髪の毛の子が好きなんよなぁ」と言えば髪の毛も伸ばしてくれてたし、ストレートにするため矯正も当てに行ってた。
とにかく優しくて可愛くて、だいたいの男が好きになるタイプの自慢できる彼女だった。
カトウと買い物も行ったし。カトウが家に泊まりに来たことも数回。
ただし…ツレ等も一緒。
俺はカトウ1人を誘うことが出来なかった。それとカトウも嫌がった。
この状況が続く中、時は流れ
今回はカトウ抜きで、カトウのツレの女の子が泊まりにくる。
名前は【マイコ】この頃から呼んでるかは覚えてないが
「なんて呼べばいい?」と俺が聞いたのがきっかけか、名前で呼ぶようになった。
この夜、思春期の俺の性欲が押されるわけもなく暴走する。
言い訳にしか聞こえんと思う。
俺も中2…あんなことや こんなことしたいと思う年。ましてや彼女いてて愛してる。
でも、エッチも何もさせてくれない。
それでムラムラしてたんやろうな。俺は。
夜。
寝始めたツレ等を横目にマイコのあれを触る俺。
マイコは感じていた。
触るだけ触って罪悪感を覚えた俺は、ふと我にかえり、手を止めた。
はたからみれば俺は最低な奴やろうな。
俺の人生はこのまま最低最悪を引き連れて突っ走って行く。
また別のとある休日。
カトウとツレ等が泊まりに来る。
夜中。
全員が眠っているのを良いことに、またまた性欲が押されなくなった俺は寝ているカトウのあれを触る。
起こさないようにと、ゆっくりゆっくり。
何分たったころか、飽きずに触る俺。指をいれてみたり。いじくり回していた。
あのときのイケダのようなぐちょぐちょ感がない?
なんでや?と考えていたその時、カトウが目を覚ます。
当然バレる。血の気が引くが、彼女やねんしいいやろとも考えていた。
しかしこの日をきっかけに自業自得と言う闇に包まれていってしまった。
あんな事をしてしまった俺。
当然、経験のない思春期の女子には刺激が強く、嫌われていった。
そんなぎくしゃくした関係の中、月日が流れ
ある日。
カトウの事が好きだと言う奴が現れる。
いやいや、俺の彼女やし大丈夫やろうと俺は思ってた。
またある日。
いつもカトウ等と集まっていた駄菓子屋【高田屋】へ行った。
いつものように集まるはずだった。
高田屋に1人座ってる【リエちゃん】に
「カトウさんは?」と言われる。
俺は「知らんけど。」と答えたと同時にすごい不安を感じた。
俺はチャリに乗り探しに行く。
辺りを探しまくってた。
心臓が不安で破裂しそうだった。
焦りながらチャリをこいでいると、ふと頭に場所がよぎる。
その場でブレーキを目一杯かけ、スピンターンをした俺は頭によぎった場所へ。
案の定、カトウはそこにいた。
体操服を着たカトウとマイコ。
そして
カトウを好きだと言っていた【モリモト】が居た。
背筋がゾーッとしたと同時に頭で何かが切れる。
「何してんな。」
そう言ったが誰も返事を返さず、ただ覚めた目でじっと俺をみている。
え?どゆこと?なに?とパニックになり、とっさに逃げたくなった俺は「リエちゃんが探しとったぞ。」と言いはなち
その場から逃げた。見えてた結果だった。俺は別れを告げられ
カトウはモリモトの所へ。
もっぱら、あることないこと話して、それに相談のるふりして落としたに違いない。
カトウからマフラーをもらったことなど走馬燈のように全て思い出す。
「きっつんマフラー欲しい言うてたから編んでみてん!」
「えっ!?マジで!ありがとう!」
長いマフラーやった。ビックリするぐらい。
マイコに、この長さわかる?これを編むのにどれだけ時間かかったと思う?すごい頑張ってたんやで!
そんなことも言われてたな…。
愛があって大切にしてくれてたのに俺って奴は…。
カトウは学校の仲良い子等にこう言ったらしい。
「キッツンが暴力振るってきた。」
いやいや!暴力なんてふるってない!女にだけは絶対手をあげへんのに!
でも、みんなはカトウを信じた。
俺がツレと思ってたやつもクラスメートもみんな。
所詮俺らって上っ面だけやったん?
ツレに喋りかけても愛想無く。
クラスメートもみんな態度がおかしい。
自業自得……なんか……な……?
頭の中でその言葉が渦巻く。
気晴らしに街に出ても、なぜか見事にモリモトとニケツして笑っているカトウと合う。
しかも目があっても無視。
いっそのこと死んでしまおう。
なにも面白くないし、毎日毎時どこにいても苦しい。
逃げたい。逃げたい。逃げたい。
そう思った俺は団地の最上階である11階へ。
死んでしまえば……逃げれる……。
きっと救われる。
でも
俺には死ぬ勇気が無く、ただ泣き崩れ部屋を荒らし
しまいには吐き気、恐怖…
学校へ行けなくなっていた。
1人になってしまった。いや、1人になった俺は、家のベランダでボーッと夕日を眺めていた。
ん?と 思い出す。
町中の電柱に書いてあった。出店の文字。
俺は思った。
「あいつ誘うチャンスや。」
めっきり遊ばんなったミナミを誘おうと、電話してみる。
予想外に簡単に電話に出てくれて、すんなり遊ぶ約束をした。
俺がいろんな時間送ってる間に、ミナミもいろんな時間を送っていた。
ミナミはサワさんと別れていた。
この日からまた
ミナミと俺は2人で1人になった。
学校いかんと夜中だろうが遊び呆けて、ツレにたばこの吸かたを教えてもらったり。
火遊びはして、酒は飲み。
毎日一緒に遊んでた。
苦しいけど、すごく毎日が楽しかった。
【不登校】
担任から言われる。
「学校 おいでよ。」
最初は嫌がった。
でも「席が一番後ろの窓側やったら行く。」
と俺は言うと
「わかったから おいでや。」と担任はすんなり了承し、マジかこいつとなる。
ちょっと間してから学校へ行くと、マジで席が変わってた。
最初は嫌々行きながら勉強せんと空観たり、寝たりしてた。
うちの学校は
弁当、もしくはコンビニとかで買ってきてそれを持参して自分のクラスで食べるって決まりがあった。
しかし
居場所のない俺は昼時になるとクラスを抜け出し
違うクラスに居たミナミを呼び出し廊下で食べたり、階段で食べたりしてた。
まぁ当然みつかって注意されるが無視。
授業中、廊下がうるさいなと見てみると、ミナミは担任に追っかけ回されたりしてた。
そんな日々も直ぐにおわり、また学校行かんなった俺。
また担任に呼び出される。
「校長と話して決めたんやけど 1時間受けたら出席にしたるから。」と言われる。
しまいには「保健室でも良いから。」と言われ
そこまでしてもらったら行くしかないな。
そう思って行くことにする。
保健室には誰もいなく俺1人。
まさに自由。
勉強しとけと渡されたドリルも無視して
1時間ボーッとしてかってに帰る。
みんな学校行ってるというのに俺はミナミと遊ぶ。
酒買いあさって会う女の子会う女の子に飲めや飲めや言うて練り歩いてたら、次の日先生に呼びだされたり
たばこや盗難で警察におこられたり
エロ本でもりあがったり
毎日毎日、卒業までそれは続いた。
【進路】
高校なんて最初は行く気、ってか興味なかった。
三年になってハイパー不登校やったけど「やっぱ 高校は行っとかんとなんかな。」
そう思って担任やミナミと学校の特別な部屋で話し合う。
俺はその頃から車が好きで、どうせやったら工業、自動車科
と言うわけで工業の定時制(夕方から夜までの学校)を受けることにする。
ミナミも一緒の高校を受ける。
何気に頭いいのにもしかしたら俺に合わせてくれたんかもしれんな…。
そんなこんなで話し合いは終わって、後は卒業するだけとなった。
【卒業間近】
卒業間近。
そんな忙しい中、学校は大掃除の日やった。
この前日、ミナミは俺の家に泊まり2人で計画をする。
モリモトをシバくか。
モリモトは俺の女をとった。モリモトは何かとウザイ存在だった。
鉄パイプにテープ巻いたり、鉄板入りの鞄などを用意し、教室に入ったらソッコー机なげたろか!などと話が盛り上がり朝方まで起きてた俺らは、眠たさのあまり
やる気を失なってしまう。
もう、ええか…そんなノリで俺らは登校した。
俺とミナミは、教室の掃除はしないで保健室の掃除をしてた。
簡単に掃除を終え、帰る支度をした俺らは廊下を歩いていた。
すると、ちょうど前から歩いてきた奴が居た。
モリモトだった。
すれ違うかと思った瞬間。
ミナミとモリモトはお互いに譲らず、わざと肩をぶつけた拍子に素早く2人とも胸ぐらをつかんで
「やんのか?」「なんな?やんのか?」
と
ついに喧嘩が始まった。
胸ぐらを掴んだまま2人は睨んでいた。
俺は自分の鞄を捨て一言
「ミナミとやんやったら俺も入んで。」
それを聞いたモリモトは言う
「2人ともかかってこいや。相手したるわ。」
めっちゃかっこええやんけ。俺しょぼ……。と落ち込んでいる時
ミナミは空いてる片手で自分の鉄板入り鞄で頭上から降り下ろす。
しかし空手をやっているだけあって森本は腕で受ける。顔から察してダメージ0にみえた。
これをきっかけにオラァ!と喧嘩が始まる。
まずはミナミがどつきまわされる。
俺はモリモトを引っ張る。
まだどつき続けるモリモトにムカつき
俺を無視すんな!と一発どついたる。
するとまたまたダメージ0のモリモトは振り向き睨みをきかせ標的は俺にかわる。
頭を両手でガードしてるつもりの俺だが、頭をどつき回される。まったくガードできてない。
軽いジャブなんかして痛くはなかった。
ただすごい連打。
徐々に目の前がぼやけてモリモトが見えへんなる。
「あー!!うっとおしい!」と思った俺は
ブンブン腕を振るが、喧嘩慣れしてない俺の拳があたるわけもなく、黒帯のモリモトの動きはスゴく速くてあたらんかった。
マジでか……と思っていると引き続き頭どつきまわされる俺。
そこに先生が現れる。
先生が慌てた顔して「何してんや!!!」と割り込んできて、喧嘩が終わる。
息切れのミナミと俺。
間に怒り狂った先生。
向こう側に余裕のモリモトとニヤけてるツレ等。
その中、先生は言う。「何あったんや!?」
俺は食いぎみで「別に何もないわ。ミナミ、いこや。」
そう言った俺とミナミは、モリモトらとギャラリーの間を抜けていき学校を出た。
門でタバコに火をつけ、息を整え吸いながら帰る俺ら。
ミナミは手の指を折っていた。
モリモトをどついた時に当たりが悪く折れたらしい。
クラスメートの家が接骨院の為、そこに行く。
そこのおっちゃんは「君らも若いなぁ。」
そう言いながら、ミナミの指を固定しだす。
また喋り出す。
「ところで、うちの娘 かわいいか?」と言われ
「え?あ、かわいいっすよ。」と言う俺とミナミ。
正味、あんたの娘さんと喋った覚えもない…。
家路についた俺は担任に呼び出され再度学校へ。
俺は職員室に誰のイスかも解らんイスに座り担任にとやかく言われる。
どないしたんか。どんな状況やったかとか
根ほり葉ほり聞かれたが、てきとーに答えているとなんとか家に帰ることができた。
【卒業】
ついに卒業の日がやってきた。
このいやな学校ともおさらばか…。
そう思いながら卒業式に出た。
学校の思いでは辛いものばかりのような、楽しかったような。
1年生の時にいっぱい友達できて、女子は悪いのが好きなお年頃なだけあって、何気にモテてたのにな。
充実してたよな。ボウリングやカラオケに恋愛。
普通の青春してたのに。
2年にあがって、友達は失い、信頼もないし煙たがられて。
不登校に酒にタバコに窃盗に。
3年になっても続き、最後に彼女を寝取られたやつにボコボコされてカッコ悪いし。
家は家で統合失調症と躁鬱の母親のせいで、俺まで頭おかしくなりそうやし。
なんでこんな気持ちで卒業式に?
卒ランきてるやつもいてるし、変形きてるやつもおる。
真面目なやつも悪いやつもどんなやつも、みんな楽しそうで、感動もしてる。
俺はなに?なんでなん?
1人1人名前呼ばれて卒業証書?取りに行ったんやったっけ?
リハーサルもなにもしてなかった俺は、流されるまま式にでていたのであんま覚えてない…。
とりあえず みんなで校歌?なんか歌うのがあったが、練習に一回も出てない…はずの俺には
歌うことはできんかった。
ボーッと
ただたんにボーッと天井をながめて
俺は中学を卒業した。
思いでも何もない卒業式とかあるんやな。
サワさんから花一輪もらって
ミナミを含めた一番仲のいい四人でプリクラをとりにいった。
これはこれでよかったのかもしれんな。
と思いたい。
【番外 修学旅行】
近々、修学旅行がある。
それでいろいろ決めるらしく登校。
正味、行く気が無かった俺は担任に「俺、行けへんで」と言っていた。
しかし担任の一言で俺は行かなしゃーないな。と思わされる。
その一言は…「行かんかったらキャンセル料、高くつくで。」
みんな楽しそうにグループ決めたり、ホテルの番号メモったり、なごやかな空気が教室を包む。
俺は1人 教室から空を見ていた。
俺はみんなに避けられていた。
修学旅行が始まる。
新幹線の中では漫画でみるような和気あいあいと楽しんでるみんなを尻目に
連結部でミナミらとうんこ座りしてすごしてた。
俺は決められたグループの中に居てるのは苦しくてグループから抜け出す。
何故ならカトウ達のグループだから。
優しさでグループにいれられたのか、なんなのか分からないが、ありがた迷惑。
夢の国ディズニー。
すれ違う人みんながみんな笑顔の中、輪を抜け出し1人でベンチに座り込み、携帯を取りだしミナミに連絡を取る。
もう頼れる奴はこいつしか居てない。
ミナミのグループに入れてもらった俺。
このまま楽しく行くはずだった。
ディズニーで夜を迎えた俺たち。
なんかのイベントが行われるらしく、その場所へ。
当然、人がいっぱい居た。
その中にカトウとモリモトが居た。
寄り添っている後ろ姿を真っ直ぐ見てしまった。
俺は男のくせにその場で泣き崩れた。
ミナミのグループは「きっつん どうしたんやろ?」
そう言いながらも慰めてくれていた。
夜。
学校にいってないおれは、ホテルの部屋割りもしらず、ひとり迷っていて
やっと先生みつけて、聞いたら怒られ、それでもなんとか部屋にたどり着いたが
ホテルの部屋割りは、小学校の時に仲良かった、ヤンキーグループにあてられていた。
これも優しさなのか、しぶしぶなのかはわからん。
みんなで部屋で写真とったのを覚えているが顔は死んでる。
普通に青春でこれてれば、漫画であるような抜け出して女に会いに行くとかできるはずやったのに、なにも面白くない夜だった。
修学旅行の時の写真の俺の顔は死んでいる。
一枚だけ最高な笑顔の写真がある。
サワさんが撮ってくれたその写真には
ミナミとタケダと俺が写っている。
ミナミとタケダとサワさん。
俺の親友。
【性同一性障害】
中1のころいつもどおり学校に来ていた俺。
休憩時間。
俺はツレ等とトイレに行っていた。
んでツレが急に喋り出す。「タケダって 知ってる?」
当時、タケダを知らなかった俺は「はぁ?誰よ。」と聞く。
「知らんけ?あの女の子よ。ってかな聞いた話なぁ…」
ツレには不思議だったんだろう。
聞いてもないのにタケダの事を喋り出す。
「あの子 レズらしいで。」
俺はクエスチョンを浮かべながら「だから?」
「え?いや、どうおもう?レズって。」
別にタケダに興味もなかったし、レズやからってなんやねん?
そう思ってツレに言う。「別に?」
タケダは性同一性障害だった。
みんな理解が足りない、まだまだガキなので見世物のように笑うし、男みたいな髪形と私服を見ると変な目で見る。
俺は男として友達になっていた。
終わり
中卒から高校入学編へつづく
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