小人たちは旅に出る。とある星の、人間の世になる前の物語。

小人たちが、楽しく遊び暮らす国ルウィンラーナ。
ラーベスは旅に出て、第一の旅行者となる。
そのことは、「原旅行者」による予言書に記されていた。
ラーベスが持ち帰った手紙を、小人たちは解読しようとするが。

児童書ハイファンタジーや『指輪物語』がお好きな方に、お勧めしたい作品。
最初は、手紙と予言の謎を解くワクワク冒険譚かと思っていたら。
事態は予想以上にのっぴきならない状況でした。

自分たちの数が減っていく現実に目を逸らして、遊び続けるか?
犠牲を出しても、秘密を解くか?
やがて、彼らは“ニンゲン”に出会います。

童話のような文章で綴られる旅路の果ての、胸を締め付けられる結末。
とある星の、人間の世になる前の物語。