第6話
ギルドでの手続きを終えた日の翌日。
俺は精霊と契約する為、精霊を探しに行くことになった。
因みに服は、この世界のもの。
今のコーデは白いシャツに、紺のベスト。下は、黒いズボンって感じです。
あ、しばらくはレイさんの家に泊まらせていただく事になりました。
朝食を摂り、精霊の住む精霊郷に行く。
精霊郷に行くには、精霊とコンタクトをとり精霊に連れて行ってもらう形になるらしい。
レイが、レイの精霊アンダインとコンタクトをとる。
因みに、レイはこの国最強であるからして、火、水、風、土、光の5つの属性適正があり、5匹(?)の精霊と契約をしているらしい。
そのうち、水、火属性の精霊は、精霊の中でも最強と位置付けられている。
「行く準備が出来たぞ」
「おう」
「精霊郷へ行くには、心を落ち着かせ、三回深呼吸をしろ」
「すーはー、すーはー、すーはー」
「そしたら、私の手を握れ」
「お、おう」
俺はレイの手を握る。
女の子の手を握ることが出来るなんて!!!
俺、感激!!!
レイの手は、日頃剣を振っている様には感じられなかった。
柔らかく、すべすべしていて、マメ一つない。
「そんなに触るな...くすぐったいだろ...」
「いや、気持ちよくて...」
つい、本音が出てしまった。
怒られるかな…
そう思い、俺は謝る。
「ご、ごめん!!!」
「ま、まあ良い。目を瞑れ。さっさと行くぞ」
「あいよ」
俺は目を瞑った。
一瞬、爽やかな風を感じる。
「着いたぞ」
レイの声が聞こえる。
そっと目を開けると、そこにはこの世のものとは思えない(まあ、異世界だけど)様な光景が広がっていた。
一面中青空。ウユニ塩湖みたいな光景が広がっていた。
それはもう神秘的で、比喩とかでは無くずっと見ていることが出来る。
目の前の光景に見蕩れていると、美しい女性が現れた。
「現れた」と表現する事がこれ以上適している状況は無いだろう、という具合に。スッと。
「彼女がアンダインだ」
「はじめまして、ケイ様。レイからお話は伺っております」
アンダインが言う。それはもう、とてつもなく透き通った声で。
「は、はじめまして」
彼女は美の象徴と言っても過言ではない程に美しかった。
滑らかで、きらびやかな美しい金髪。
目は垂れ気味で、おっとりした表情。
吸い込まれるような青い瞳。
彼女に「可愛い」は似合わない。
何故なら「美しい」からだ。
アンダインに見蕩れていると、レイが言う。
「精霊は精霊郷に居ると、その種族の容姿に具現化されるのだ。人間なら人間、エルフならエルフ、と言った具合にな。それで、ここが精霊の間とよばれている。各属性の精霊がいる世界の玄関といったところだな」
「なるほど...」
すると、アンダインが言う。
「それでは、時属性の精霊の居る空間へと繋げますね」
「ここからはケイ一人だ。よほどの事がない限り死ぬ事は無いが、気をつけろよ」
「おう。ありがと!」
「精霊と契約出来るまでは、戻ってくることは出来ませんが、良いですか?」
「はい」
レイが居ないのは、少し心細いが俺も男だ。やる時はやる。
すると、一つの扉が目の前に現れた。
扉がゆっくりと開き始める。
「気をつけてな」
レイが言う。
扉が完全に開き、俺は扉の中に吸い込まれていった。
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