竹河 その四十

 夜が更けてから大君は冷泉院の御前に参上した。秋好む中宮や弘徽殿の女御は誰も老けているのに、大君はとても可愛らしくて今が盛りの見るからに美しい様子をしている。それを見れば院がどうして並一通りの扱いでいられようか。大君は華やかに寵愛を一心に集めている。


 冷泉院が今では普通の臣下と同じようにお気楽に暮らしている様子はh権等にこの上なく結構だった。


 冷泉院は玉鬘の君にしばらく大君に付き従って院の御所に来るようにと望んでいたので、早々と退出してしまったので、冷泉院は残念で面白くなく思うのだった。

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