横笛 その二

 父の前の大臣は深いわけも知らないまま光源氏の厚志に恐縮して礼を言う。


 夕霧もいろいろとたくさんのお布施を差し出し、法事の世話も取り仕切って丁重にする。あの一条の宮に住む女二の宮にもこの頃は格別深く同情を寄せて見舞っている。故人の兄弟たちよりもずっと親切に気をつけるその心の深さを、



「まさかこれほどまで親切にしてくださるとは、思いもよらなかった」



 と父大臣も母北の方も喜んでいる。


 亡くなった後までも人々の信望がどんなに厚かったかとわかるにつけても、両親はただもう故人が惜しまれてならないといつまでも恋焦がれているのだった。

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