横笛 その二
父の前の大臣は深いわけも知らないまま光源氏の厚志に恐縮して礼を言う。
夕霧もいろいろとたくさんのお布施を差し出し、法事の世話も取り仕切って丁重にする。あの一条の宮に住む女二の宮にもこの頃は格別深く同情を寄せて見舞っている。故人の兄弟たちよりもずっと親切に気をつけるその心の深さを、
「まさかこれほどまで親切にしてくださるとは、思いもよらなかった」
と父大臣も母北の方も喜んでいる。
亡くなった後までも人々の信望がどんなに厚かったかとわかるにつけても、両親はただもう故人が惜しまれてならないといつまでも恋焦がれているのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます