若菜 その二五八
「本当にあの人か。質の悪い狐などの気のふれたのpが亡くなった人の恥になるようなことを口走るということもあるそうだからはっきりと名を名乗れ。他の人の知らないことで私の心にだけはっきり思い出されることを何か言ってみよ。そうすれば少しは信じてやろう」
と言うと、子供はほろほろと涙を流していかにもつらそうに泣き、
わが身こそあらぬさまなれそれながら
そらおぼれする君は君なり
「ああ、恨めしや、恨めしや」
と泣き叫びながらさすがに恥ずかしそうにしているところが昔の六条の御息所にそのままなのがかえってたまらなくうとましく、情けないのでそれ以上のものを言わせまいと思うのだった。
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