若菜 その二三一
明石の女御のもとから便りがあったので、女房が、
「このように病気でお苦しみです」
と返事を言った。明石の女御が驚き、そちらから光源氏に伝わった。光源氏は胸もつぶれるお思いで急いで帰った。紫の上はひどく苦しそうにしている。
「どんな気分なのですか」
と体にさわってみると、あまりに熱を持っているので、昨日厄年のことで用心しなければと話したことなど思い合わせて、本当に恐ろしく思った。お粥など朝食はこちらの部屋に置いたが、光源氏は見向きもせず日がな一日側に付きっきりで何かと介抱して心を痛めている。
ちょっとした果物でさえ口にするのをとても嫌がり受け付けないまま、起き上がることもできなくなり、寝付いてしまって日が過ぎていくのだった。
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