若菜 その一九六
人の誉めない冬の夜の月を光源氏は特に好むという趣味なので、趣の深い冬の雪の光を観賞しながらこの季節にふさわしい曲の数々を弾く。側に侍っている女房たちも少し音楽に嗜みのある者たちには琴などをそれぞれ弾かせて合奏などさせる。
年の春には紫の上などは新年の用意で忙しく、あちらこちらの女君たちの新春の衣装の支度にどうしても自分が世話を焼くことも何かとあるので、
「いずれ新春になりましたら、うららかな夕暮などにぜひ女三の宮のお琴の音をお聞かせいただきましょう」
といつも言っているうちにその年も改まったのだった。
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