若菜 その一八八
出家した朱雀院は仏道の修行に専念して、宮中の政治のことなどは一切耳に入れない。ただ春秋に帝が朱雀院に会うために行幸したときには、出家前のことを思い出すこともあった。
女三の宮の身の上ばかりはまだ心にかけていて、光源氏をやはり表向きの後見役と考えているが、内々に帝から配慮もしてもらえるように帝に依頼する。
女三の宮を二品の位に進めたので、御封などもそれにつれて多くなった。女三の宮の威勢はこうしてますます華やかに盛大になったのだった。
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