若菜 その一四五
若公達らしい人々が大勢いる。光源氏は、
「鞠は持ってきましたか。誰と誰が来ているのか」
と言う。夕霧の大将がこれこれの者が参っておりますと答えると、
「こちらへ来てはどうか」
と光源氏は言う。寝殿の東側は明石の女御の御所だったが、ちょうど若宮を連れて東宮のところへ参内していて留守なので、ひっそりとして静かだった。
遣水の流れが行きあった広々としたあたりに風情のある蹴鞠の場所を見つけて、そこに集まる。
太政大臣の息子たちの頭の弁、兵衛の佐、大夫の君など、少し年かさの人々もまだ少年じみたものもそれぞれに他の人たちよりは蹴鞠の技量は飛びぬけて優れている人ばかりだ。
ようよう日の暮れかかる頃、風もなく蹴鞠には絶好の日よりなので興に乗って、弁の君も我慢しきれず仲間に入ったのだった。
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