梅枝 その二十八
けれども明石の姫君のこの箱の中には身分の低い者の書いたものは一冊も混ぜず、筆者の人柄や地位をことさらに吟味してから、草子や巻物などを皆に書かせる。
明石の姫君の調度は何から何まで珍しい宝物の数々で異国の朝廷にも滅多になさそうなものばかりだ。その中でも特にこの数々の手本を拝見したがって憧れる若い人々が本当に多いのだった。
光源氏はまた絵を選ぶ時に、あの須磨で自分が描いた絵日記を子孫にも伝えて知らせたいと考えるが、明石の姫君がもう少し成人して、世の中のことをわかってからと思い直し、今度はまだ取り出さなかった。
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