行幸 その十一
内大臣からは去年の冬ごろから大宮が病気になり、まだ一向によくならないので、とそれを理由に引き受けることができないと断っていた。
夕霧も夜昼、三条の邸に詰めていて看病に余念もない、ほんとうに生憎なときなので、光源氏はどうしたものかと思案に暮れていた。
「世の中は実に無常なので、大宮がもしお亡くなりにでもなれば、当然、玉鬘は実の祖母君の喪に服さなければならない。それを知らぬ顔で過ごされるというのも罪が深いことになるだろう。やはり大宮の存命中に、真実のことを打ち明けてしまおう」
と決心して、三条の宮を訪ねるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます