胡蝶 その三十三
明くる日の朝、光源氏から手紙が早々と届いた。玉鬘は気分が悪いと臥せっていたが、女房たちが硯などを差し出し、
「返事を早く」
とせかすので、しぶしぶ手紙を見る。
見た目にはあっさりした実用的な感じの白い紙に、とても見事にしたためられている。
「たとえようもない昨夜のひどい扱いの、情けなかったことが忘れられません。女房たちが何と思ったことでしょう。
うちとけて寝も見ぬものを若草の
ことあり顔にむすぼほるらむ
まったくまだ子供じみていらっしゃるのですね」
と、さすがに親ぶった言葉も、昨夜のことを思うと玉鬘は本当に憎らしいと思うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます