玉鬘 その四十八

 この話を聞いた後は、他のもののいないところへ右近一人だけを呼び、



「そういうことなら、その人を、この邸にお迎えしよう。長年の間、何かにつけて、行方不明にしてしまったことを残念だといつも思い出していた。そこへ、こうしてその人のたいそう嬉しい消息を聞き出したのに、いつまでもまだ逢わずにいるのはつまらない話だ。父君の内大臣には知らせる必要もないだろう。あちらにはずいぶん大勢のお子たちがいて、賑やかにお世話していられるようだが、その中へ、ものの数でもない身で、今からはじめて仲間入りするのでは、かえって不都合なこともあるだろう。私は子供も少なくて淋しいものだから、意外なところから実の子を探し出したとでも言っておこう。好色者たちにうんと気を揉ませる種にして、うんと大切にお世話してみよう」



 などと話した。

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