3日目 《情報整理》
『・・・以上がこのゲームの説明となります。それではご武運を』
その言葉を合図として、耳障りなデバイスからの音声は消え、辺りには静寂だけが広がる
どうやら俺は森の中に飛ばされてしまったようで辺りは何も見えない
こういう時は焦った方が負けだ。落ち着け・・・落ち着け・・・
まずは簡単に整理をしよう
まず、これは現在生き残っている"訳ありな"25人程の人物達で行われる[
そして最後に生き残ったものには、平凡な、しかし最高級の幸せである[日常]が景品とされている。
それはついさっき、[ジャッジ君]とやらが語っていた
こっからはデバイスから知らされた情報
ルールはシンプル極まりないが恐ろしいの一言
勝つ方法は、ただ一つ。ただ1人のみの生存。
この今現在分かるゲームからの脱出方法は三つ。
他人に殺されるか。
自ら命を断つか。
[リタイア]をして本人が想像しうる、最悪の死に方を迎える事。
実質、脱出は不可能。
そしてこのゲームのステージは・・・詳細は語られなかったが、約4,376km2の東京都の約2倍の面積の離れ島らしい
人間以外にも、違う動物達がいるらしく、それにも注意しないと、死は免れないとの事。
時間は現実で言う1時間が約15分程度、昼間は少し長く、30分との事。起きた時は真っ暗だったが既に太陽の光が差し始めている
移動手段は様々。
徒歩は勿論の事、島には車、バイク、自転車、ヘリコプター、恐れる事に戦闘機までが存在するとの事。
尚、ここは"地球ですら無い別の惑星"との事で、それ故にヘリや戦闘機での脱出不可能。
更にゲーム開始と同時にプレイヤーには各自、全く異なる《
俺に与えられた
脳内に存在するあらゆる物を模倣する。これだけならまぁ文句は無い
しかし、[あらゆる物]とは言っても、限度があるようで、近代的な、オートマチック式の銃は言わずもがな、どうも細かい部品が多く使われる物は不可能らしい。
よって、作る事が出来るのは簡単な物、作りが比較的単純な物に限る。
例えばそう。木刀や弓矢等だ。それも職人さん達が作った上等な物ではなく、素人所か未経験者の俺が作る様なゴミっかすである。
しかも能力を使うのには条件があるようで、
その1、模倣する為の素材がある事。
その2、どちらかの手でその素材に触れる事。
そういう制限をクリアした上でようやく、俺の
利点は一瞬で作り出せること位。
所謂、[ハズレ]だ。
その上、作り出した物はものの30分で原子レベルで崩壊。此の世から存在が抹消される。
まぁそれは置いとくとして
ここからが重要。
このゲーム。どうやらクリアまで一生続くわけではなく、深夜0時から夜明けの7時程までで開催される様になっているようで7時に一旦、《ゲーム中断》されるらしい。ならばその時間帯を凌げば誰も傷つかないわけでもなく、5年間の間でクリアした者が出なければ、全員強制[リタイア]。最悪の結末へと向かう事になってしまう
つまり、俺を含めた25人で殺し合いをする事は免れないという事。
今はまだ1時を少し過ぎた程度。やっていられん。
「はあぁぁぁぁぁ・・・」
思わずクソみたいにデカい溜息をつく・・・
「きゃああああああ!!」
デカい木に寄り掛かるようにしていると鼓膜に突き刺さる様な高い声が聞こえてくる
助けに行くか・・・?
いや、どうせ殺し合うんだ。なれ合いをしたって何の意味も無いだろ・・・
いや、でも今の声、間違いなく女性・・・いや女の子。
・・・女の子・・・
そんな言葉に惹かれない男などいない筈もなく
羨ましい位に正直者の足は自然に声がした方向へと向かっていた
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