具合が悪そうなふりをする
「ようはお前らは勉強しろよってことだよ」
先の放送について生徒たちからの問いに国語教師はこう答えた。
2年生で1クラス学級閉鎖が出たので今後の対応を検討した、ということだった。
「閉鎖にならなくても結構休んでるじゃないですか」
「先生達にうつるかもしれないですよ」
閉鎖にならないことを不満に思う生徒たちが口々に言う。
「そういう決まりなんだから。それにテスト前だぞ。安易に休ませるわけにはいかないんだよ」
「えー」
「文句言うな。始めるぞ、54ページからな」
春香 {どうする?}
明日香 {1人は明日まで、2人は明後日だって。}
充 {俺は明日も休むw}
千里 {私インフルだったから休むね。}
春香 {でも5人かぁ。}
大地 {あれやるしかないでしょ。}
小川真也{おいおい菌でも撒く気かぁ?w}
大地 {ちげぇよ。そんな訳ないだろ。}
次の日の数学の授業中。教師が体調が悪そうな生徒に声をかける。
「実草、大丈夫か?顔色やばいぞ」
「なんか…、ボッーとして。すいません」
「そうか、保健室行った方がいいぞ」
「そうします」
1人が保健室に向かう。
「おい、お前、寝るな」
机に覆いかぶさるようにしていた牧野が起こされる。
「いや先生、俺も調子悪いんですよ」
「そんな風には見えないぞ」
「頭痛い…」
「仕方ないな、行ってこい」
「はい」
そそくさと教室を出て、牧野も保健室へ向かった。
(上手くいってよ…!)
春香や大地は密かに牧野を心配していた。
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