第7話 1期目2
自由党には担当の事務局員が付く。それがありがたいことに高杉の地元の先輩の吉田だった。これが高杉にとって役所での仕事をスムーズにさせた。又、永年青年会で活動してきた為役所にもたくさんの知り合いがいた。そして何と言っても最も仕事をスムーズにさせたのが高杉が生粋の中田派であると言うことだ。おかげで高杉はとても1期生とは思えない力を持って議員活動をスタートすることができた。
「高杉は仕事が早い」と言う評判は地元でもあっと言う間に広まった。そしてこれは高杉の支持者拡大にも繋がって行った。
元々地盤の無い無所属での出馬だったが徐々に地元町会、近隣町会の人々も応援してくれる様になった。
アポロ市の職員は約4,000人。民間で言えば大企業だ。やはり優秀な職員もたくさんいる。如何に優秀なブレインを仲間につけるかが仕事をしていく上では最も大切だ。高杉はそういった背景もあり優秀なブレインをすぐに作ることが出来た。又、優秀な人間と言うのはこちらの考えをすぐ理解してくれこちらの期待以上の働きを時にはしてくれる。「これが大企業か」高杉は実感した。自分の考えがすぐに形になる。高杉は楽しくて猛烈に働いた。まさに順調な滑り出しであった。
高杉の仕事ぶりで一つ1期生では考えられない事があった。高杉の隣町会の南町会は永年町会会館建設を悲願としてきた。これまでは公園内にあった役所所有の集会所を使用していたがこれが老朽化で解体が決定されていた。それに代わるものとして会館の建設を10年来役所と交渉を続けていたが全く進展はなかった。ところがこれを高杉が1期4年の間に新たにコミュニティーセンターとして建替たのだ。これにはまちの人々は驚いた。高杉の評判は一気に上がった。高杉はまちの人々の喜ぶ顔を見るのが楽しくてしょうがない。「みんなの笑顔を見る。これこそ議員の醍醐味だな」と実感した。
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