後編

第12話 3年生

4月

今日から私は3年生になる。あっという間に春休みも終わってしまい、また新しい生活が始まる。




-8:00- 学校 

ゆうか「あーかり!おはよ!」

あかり「おはよ!しんじくんもおはよ!」

しんじ「おう!てか、髪型変えたんだな」

ゆうか「ほんとだー!いつも結んでなかったのに、ポニーテールだー!」

あかり「ちょっとオシャレ頑張ろうかなって」

ゆうか「可愛いよ!!」


そう言いながらゆうかは抱きついてくる。3年生になったと言うのに相変わらず彼女は変わらない。変わったことといえば、彼氏ができてから女の子としての可愛さは増した気がする。


しんじ「クラス貼り出されてるし、早く見に行こうぜ!」

ゆうか「うん!あかりも早く行こ!!」

あかり「はいはい」


貼りだされてる場所に行くと、一気に騒がしくなる。


ゆうか「また4人で一緒になれたらいいね!」

あかり「うん!」

???「あかり、ゆうか!」


私達の名前が呼ばれるので振り返るとそこにはつばさとひーちゃんがいた。


ゆうか「2人ともおはよ!」

つばさ「おはよ!クラスもう見た?」

ゆうか「これからだよ!また同じがいいねーってあかりと話してたの」

ひなこ「そうだね!私もまた4人で同じがいいな!」

あかり「うん!」

つばさ「あ、あった!私、1組だ!」


私たちが話してる間に、つばさはもうクラス分けをみていた。


ゆうか「え!私は!!」

つばさ「えっと…ゆうかは2組…だね」


それを聞いた途端ゆうかは膝から崩れ落ちる。


ゆうか「えー!!4人同じがよかったー!!」

しんじ「俺と一緒だからいいだろ」


いつの間にかしんじくんはクラス分けをみていたらしい。


しんじ「ちなみに白井もまた同じだぞ」

あかり「え、私も同じ?」

ひなこ「ちょうど分かれちゃったね」

しんじ「西園寺は1組だったぞ」


その一言の後ゆうかをみるとゆうかはつばさに抱きついて、4人同じがよかったー!と叫んでいた。教室へ行こうというひーちゃんの一言でゆうかはつばさから離れ、歩き始めた。


しんじ「また1年よろしくな、白井」

あかり「こちらこそ!」

しんじ「ゆうかのこともな」

あかり「うん!」


今年もまたゆうかとしんじくんという仲がいい2人と同じクラスということにほっとした。でも、私が一番気になる人物のクラスはまだみてない。


ゆうか「わーん、つばさ!お昼はぐらいは一緒に食べてねー!!」

つばさ「はいはい、わかったから早く自分の教室入りな!」


そう言い、つばさとひーちゃんは教室へ入った。私達はその隣の教室に入る。黒板には座席表が貼ってあり、そこには名前が書いてあった。席順は出席番号という訳ではなく、先生が適当に決めたような席だった。運がいいことに、私は窓側の後ろから2番目の席だった。そして私の後ろは去年と変わらずまたしんじくんだった。ゆうかもまた去年と変わらずしんじくんの隣の席。そして、私の隣の席。


???「おはよ」


私の心臓がドキッとする。


しんじ「よお!」

ゆうか「あ、なおとくんおはよ!またクラス一緒だね!」

なおと「ちょうど4人でわれたね」


彼とふいに目が合う。


なおと「おはよ」

あかり「うん、おはよ」


今年もまたなおとくんとは同じクラスになった。でも去年とは違う。私の気持ちも、きっと彼の気持ちも。


しんじ「じゃあ、始業式始まるし体育館行くか」

ゆうか「うん!」


しんじくんの後ろを追うようにゆうかは少し小走りでいく。私も2人の後を追うために席を立ち歩き始めようとすると、なおとくんに腕を掴まれる。


なおと「今年は去年よりも本気だよ」

あかり「え」

なおと「覚悟してて」


それだけ言い残すと彼は教室を出て行ってしまった。鼓動が早くなる。私はこの感じを知っている。1年の時に初めて知った。でもその時より今は少し違う。もっとその時よりも強く真剣なそんな気持ち。


(3年生。最後の年。たくさん思い出が作れるといいな)


そう思いながら、私は教室を後にした。

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