第51話 戦田ヶ原チュウ暗殺計画 チュウ編

「まったくなんでこんな目に」

「私はエビフライがあればどこでもいい、しかし南極や北極は嫌いだ、エビフライが凍るからな」

「まぁしかたありません」

「本人もあまりその気じゃないみたいですし」

 チュウはムッとした表情で寝ていた。

「なぜオレが逃げるなんて真似を」

「しかたないですよ、国民という味方が向こう側についてしまったのですから」

 チュウさんたちは家の地下にある地下室に逃げ込んでいた。

初めのうちは普通の生活ができたのだがだんだんと嫌がらせが発生。

ピンポンダッシュ、落書きから誹謗中傷ビラになぞの演説、最後はショベルカーが出現、家を破壊するとまでいいだしたのだ。

「家壊れちゃいましたかねぇ?」

「知らん、しかしまた壊されたとしたらそろそろ笑えんぞ」

「ですね」

 すると新しい声が聞こえてくる

「え、チュウさんやっとつかみましたよ情報を」

 筆夜だ、彼女には今回の事件のことを調べてもらっていたのだ、そして秘密の入口(秘密なので場所は書かない)から入ってきたのだ」

「おお、で誰なんだ俺をこんな目にあわせた野郎は!」

「こいつです」

 筆夜が取り出した写真には男かおばさんのような人物が映っていた。

「ロードバッハ・シュバルハッハッ だそうです、こんなおばさんみたいな見た目ですが男です、お間違いないよう」

「こいつか、何者なんだ」

「え、なんでもチュウの抹殺を企んでいたけども失敗しています、そこで精神的に殺すことで師匠を追い詰めようとしているみたいです」

「俺の自殺待ちってわけか」

「で今までの情報をTV局に売りつけ放映させた、それからはもうわかりますね」

「ああ、今痛感している」

「え、どうします、今だ人々もマスコミも師匠を探していますが」

「ああ、そいつの居場所は特定できないのか?」

「ミラクルペイント神拳でダウジングできるような技をだしましたけど、該当はありませんでしたね」

「そうか」

 しかしチュウには考えがあった。それは犯人は現場に戻る理論

(おそらく奴は自分の手で俺を殺したがっているはずだ、最後は俺のところにくるはず、きっと、きっとな」



そのころシュバルハッハッは

「なぜ見つからない!あと少しだというのに!」

「所長ヒステリックになるのは死亡フラグかと」

「うるさい!」

 勢いに任せて液晶をたたき割る

「いったーい」

「勢いまかせに悪役っぽいことするから」

「やかましいかっ!」

 今度は親指のの爪を噛みながら叫ぶ

「で次の作戦はある?作戦はっ!!」

「わっ!きたないなぁつば飛ばさないで、、わかりましたありますありますよもう」

 顔面のアップに圧倒され答える

「おそらく今は持久戦、動いたほうが負ける状態です、おそらく奴はこちら側からきてもらうことを望んでいます、しかし彼の居所はわからないからこちらも動けないわけです」

「そんなもん昨日もおとといも聞いたわ」

「だから探す人数を増やすのです」

「といってもうちは私とあんたとバイトの研究員が数名いるだけよ」

「だからまた一般人を使うのですよ」


「え、大変です!」

「どーしたんだい筆夜君」

「これを」

 と見せてきたのは新聞、今日の夕刊である。

「へー不二原達也とアンジェラ項目が結婚」

「え、そーなんですよ、じゃなくってこっちの折り込みチラシのほうですよ」

「夕刊のチラシなんて健康食品のお知らせか町内報だろ、大したこと書いてないのに20年、30年もあるんだからすごいもんだよあれで」

「でもチュウその折り込みが敵なるとは思わないだろ」

「???」

そこには

”戦田ヶ原チュウを捕まえたものに賞金一億円とバスタオル詰め合わせを差し上げます 町内会長” と手書きで書いてあった。

「そうきたか」

 チラシを握るチュウの手は欠陥が浮き出ていて怒りに満ち溢れていたがそれと同時に手汗も出てていた。きっとどちらも追い詰められているのだろう。


「あれから一週間か」

「ええ、買い物は隠密行動が得意なナナシさんにいってもらうようになりましたけど大丈夫でしょうか、やはり私が」

「大丈夫、うちのメンバーの中では見た目はお前並みにまともだ、もちろん性格もな、そうそうばれない」

 ふと見渡してみると存在自体が怪しい、情緒不安定、すべて(性格は可)、メイドと町に溶け込むどころか常に浮いてます状態の者たちばかり。

「確かに」

「おい!いまの情緒不安定ってまさか俺のことか!??」

「ええ、そういうところが」

 バカは半日ほど体育座りだった。


「あれからもう何日経つの!」

「これではもう賞金を上げても無意味でしょうな、しかし」

「しかし?」

「私の作戦は一種の水攻めのようなものです、食料がなくなればどうします?」

「買いにいくが流石に戦田ヶ原本人が行くとは」

「では協力者がいるとしたら?」

「まさか」


「いつもすみませんね、竹すぎさん」

「別にいいって、それよりもまだ向こう側に動きはないのか?」

「そうですね、どうやら今あったみたいです」

 手前に5人、後ろに3人、ビルの屋上に1、2人

(一般人だけでないな、この感じはオーラというか経験値が違う)

「竹すぎさん、あと頼みます」

「何をええ!鞄!?」

 ここで読者には彼女のすごさをわかってもらう必要がある。それはこれまでの話を踏まえたうえで知り納得してほしいことである。

彼女はもともと戦田ヶ原チュウを殺すために来たくのいちと呼ばれる存在である。

彼女の流派は七影、本名を七影七史という、彼女の一族の役割は先代が生み出した技、術を後世に伝えることにある、そのためほぼすべての技を習得する必要があった!彼女はどうか、もちろん会得していた!

「爆破術紫陽花の型 夏月下」

 そういうと爆弾、いや花火のほうが近いものを取り出し手のひらから出てきた火打ち石で火をつけ、一般人でない者、ビルの屋上にいる人物に投げる。

その間地面をかけて向かってくるものがいたがナナシには近づけなかった。

なぜならもうすでに手を打っていたからだ。

「なんだこれはピアノ線か?動けない」

「そうです、さっきを投げるまでの動いていた時に線を張り巡らせておいたんです」

「一粒で二度おいしいってわけか」

「いえ三粒ですよ」

 ドーンと爆発音がするとその男がナナシの真ん前に落ちてくる

「げっ!」

「さてとまずは蜘蛛の巣に引っかかった害虫さん、この線を引くと他の線と連動してあなたたちの手足首が一瞬でおさらばするんですけどよろしくて」

 圧倒的差を見せつけられ退散する一同、そして落ちてきた一人には

「俺をどうする気だ、たしかに俺だけは雇われた殺し屋だが・・・」

「だからですよ、案内してもらえます?雇い主のところへ」

 そういうナナシの手には次の技の準備がされていた

「すげー」

 そういう竹すぎも数人倒しているのが・・・まぁいいでしょう。

                                 つづく

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