第41話 最終回じゃないっ!前編

「ここで速報です、本日未明前科二十八犯の犯人を乗せた護送車が襲われ犯人である安久田悪男の死亡が確認されました、なぉ車には血で

”戦田ヶ原チュウに捧ぐ”と書かれており…」

「チュウはいるか!奴がついに動き出したみたいや」

 朝起きた二つの衝撃一つは今テレビから流れてきた速報の内容

もう一つは突如家のドアをけ破り入っていた身長の低い女である

「いるけどなに」

「今見たのだろうニュースを、というかなぜずぶぬれなのだ?」

「こいつが今のニュースを見て味噌汁を吹き出すという古典リアクション芸を見せてくれたおかげだよ」


「さて着替えも終わったところで久しぶりだな」

「ああ、何年振りやろうか」

 ジャージ姿に着替えたチュウと女は向かい合って座る

それを見守る、というよりぼけっーと突っ立っているバカは口に力を注ぐ

「えーとどちら様?」

「こいつは失敬、私はIQ天才(イチキュウテンサイ)、この戦田ヶ原チュウの天才塾同級生にして三点龍が一人、今は東京の霞が関ちゅー所の建物で働いとる」

「IQ?三点龍?」

「考えるな感じろ」

「いや今回もどうせここにいる連中全員巻き込むんなら教えるしかないんじゃないか、うちらの過去を」

 名前に見合わず真面目な態度をとる女、しかし見た目でみると身長がないというか

「小さい」

「ああこいつは150もないからな、なんでかな~」

「知らん、成長期に嫌われたんやろ、それよりも天才塾のほうや」

「そうだな、よし教えよう、俺たち二人の過去を」



数十年前

「見ろよ!あれが・・・」

「天才塾の全カリキュラムをたった3日で終わらせたという」

「三天龍の二人か」

 当時うちらは天才塾におった、でうちらはその各コースのカリキュラムを3日間ですべて終わらせてしまったんや、そうしたいつの間にか三天龍なんていうおかしなあだ名がついていたんや

「三天龍ねぇ、三つの龍は天に帰るってか、要するに早く消えろということかねぇ」

「そうネガティブに考えるな戦田ヶ原よ、それよりも聞いたかもう一人の龍のことを」

「ああ、昨日あってきた」

「おっ、で噂のほどは」

「噂どうりだったよ、でもまた実験は失敗、病院送りになったよ」

 そう今回の話の本題

「じゃあお前さんを睨んでいるあいつは誰なんだい」

「さぁなぁ」

 もう一人の龍いや龍になろうとしていた鯉の話をしよう

「知らないなぁ」

 儚くもなく美しくもない憎悪で作られた黒竜の話を



「そいつの名前は角道 道也(かどみち みちなり)

うちらと同じく3日間で全カリキュラムを終わらせ、不老不死になろうとした者や、ただこの名前も天才塾の卒業アルバムに書いてあっただけで偽名かもしれないがな」

「不老不死ってチュウさんみたいな」

「そうや」

「へーってお前不老不死なの!!」

 さらっと重大発言をする人達

「そうだぞ、さらに言っておくと俺の関係者はだいたい不老か不死、どっちかにはなっている」

「なんじゃそりゃ」

「それは今はどうでもええ、問題はなぜ今頃になって奴が動きだしたか」

 チュウが手をあげ発言する

「おそらくだが、俺を俺たちを殺す力を手に入れたんじゃないか」

「力か確かにあいつは人一倍おつむはよかったがそれ以外がなかった」

「あいつの青春もおそらくすべてな」

 不思議な感じだった

あのチュウがこんな態度を、誰かを思い出しているなんて、以外だった

「とにかくどうする、その力が本物ならば」

 手を顔の前にだし言葉を遮る

「自分流神拳は無敵だ」

「でた慢心」

 軽くぐさり

「とりあえずあいつがいそうなところ、現天才塾まで行ってみるか」



「そうかあの角道が・・・」

 現天才塾塾長 ペンギンが経営する現天才塾へとやってきたチュウさんら、本来は天才山という山の頂上にあるためその山を昇らなくてはならないのだが、IQ天才の力によりヘリでつれてきてもらったのだ

「しかし残念だがここには来ていない、ただあいつの資料ならあるぞ」

「実を言うとそっちのほうが目的だった」

「本当かよ」

「すぐチュウさん嘘つきますからね」

 ちなみに念のためバカ問メンバー総動員で来ている

「うるさいなぁ、でこれか」

「残っているもんだな、ほらこの集合写真これお前だろ」

「ほんとだ今の面影が」

「というかお前の子ども時代があるっているのが驚きだよ」

 その写真はまるで学校のアルバムのように先生(今回の場合は塾長)を真ん中としてその周りに生徒らが座っているというものだった」

「このときはまだ生徒が少なかったな、だから見つけやすい こいつだこいつが角道だ」

 天才が指さした男の子は全身が包帯まみれで足を負傷していたようで杖も持っていた

「こんときからすでに執着していたからな」

「でも目が子供の目とは思えない、大人の目というかこれは」

「なにかを見ている?」

 答えのすぐでないような問題にぶち当たった時ペンギンが呼ぶ

「おーいあいつの机と論文がでてきた」


「彼の机は倉庫の奥の奥にあった、そのせいか誰も触れず捨てられることもなかったみたい」

「これがあいつの机か」

 その机は異質だった

なれるできる大丈夫実現夢不老!不死!力!誰にも負けない負けられない

といった言葉の数々がびっしり机に刻みこまれていた

「これはまた・・・」

「でこっちがあいつが置いていった論文というか作文か」

「まだお前らが一桁の時の話だろ、なんかおれ気分が」

 ぼくのゆめ

かどみち みちなり


 ぼくのゆめはしなないことです

でもしななくてもぼくのからだはだんだんおじいさんのようによぼよぼになってしまいます。ぼくはそんなのいやです。

だからぼくはふじみとふろうになりたいです

それがあればぼくはなにものにもまけない力をてにいれられるとおもいます。ぼくのことはひていするやつがいたけどぼくはぼくはそれをみとめませんでした。ぼくはそいつにみせてやろうと思います。

ぼくが正しかったということを。


「今思いだした、今わかった あいつはこの時点でこの文章が数年後俺が読むことを予測していやがったんだ、そうだろ、角道」

 その声に反応するものはなくあったのはただの静寂、ではなく足音

廊下からこちらに向かって歩いてくる音が聞こえるのだ

そしてゆっくりとこの部屋にゆっくりと・・・

                            つづく

 

 

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