第17話 親代理

「お願いします」

「いやさすがにそれはちょっと」

「お金もこちらで用意いたしますし」

「住むところもすでに手配済みですので」

 バカ、ナナシが買い物から帰ってくると依頼人二人とチュウが揉めていた、どうやら以来をチュウが断っているようようだ

「おっ二人とも聞いてくれこの二人が俺にお前が父母になるんだよーって言ってくるんだよっー」

「はっ?」


「えっーつまりお二人は双子の娘さんの親で」

「父でーす」

「母でーす」

「それで長期の旅行に行くので私たちというかチュウさんに親の代理になってほしいと」

「はい、授業参観やらなんやらあるでしょうし」

「なっ、こんなめんどくさいことやなんだよう」

 そのセリフと同時にナナシはあることを考えていた

(この無責任男も子供を持つことで何か成長があるかも)と

「わかりました引き受けましょう」

「ちょっちナナシちゃーん」

「チュウさん困ってる人を助けるのが仕事でしょう」

「でもー」

「いいじゃないかチュウ」

 すると台所のほうから声がする

「エビフライさん、いたんですか」

「ああずっとエビフライ作ってた、今そっちに向かう」

 そして皿いっぱいにエビフライを持って裸エプロンで

その状態のままチュウに耳元でささやく

「どうせあの作者が考えたことだ、どうせその設定なんか忘れちまうさ」

「確かにしかしガキのおもりってのがなぁ」

「ガキじゃなくて中学3年ですよ」

「聞こえてた!!!」

「とにかく教育費は出しますんで、お願いします別途依頼料もだしますんで」

「いくらですか、さすがにたかが知れてる」

 そういうと依頼人親はどこからか出した電卓を打ち、その値段を見せる

「えー一十百千万十万百…」

 電卓を奪い取りその値段を凝視する

「引き受けましょう」

「やっぱり金か」


「ではいってきまーす」

「いってらっしゃいませ!!」

「ホテルかよ」

「で、今から会うんですよね」

 あれから三日後夫婦は旅行に出発した、そしてその日が対面日

「このマンションの8階か」

「45階建てだってさ、とんでもねぇマンションだ」

 ピンポーン オートロック式のマンションなので一階で用のある部屋の住民を呼び出し開けてもらう

「はーい、どうぞ」

「なんかけだるそうな女のコの声だったな」

「とにかくエレベータでいきましょう」

 45階  453号室

「ここか」 またチャイムを鳴らす

 そしてドアが開く

「あっあんたがあたしたちの親代理Mね~さん来たよ?」

「M姉さん?」

「煩ーうるさいー」

「ごめんごめん」

「えー名前いいかな」

「それもいいけどとりあえず入ったら?意外ときれいよ」


「確かにきれいだ」

 というより何もなかった

「まだ荷物届いてないからね」

「そう」

「というかそっちのMって娘は全然しゃべんないんだね」

「うん、姉さんは二言しかしゃべんないのよ」

「で、あんたの名前は」

「聞いといてその態度」

「私もあだ名というか省略のSでいいわ」

「SとMか」

 こうしてこの二人の親代理となった

「なーんかオチとして弱いなぁ」

 でも終わる。

                           つづく




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