第16話 人は名前だけでは判断できない
「えーと、ほばくだ、ですか?」
今日は久々の依頼人の御登場という訳なのですが名刺にはこう書いてあった
穂摸妥 穂摸男
見ると男の眼尻と肩がプルプルと震えていた
「ほもだです」
「ちょっとなに衝撃のカミングアウトかましてるんですか、そうじゃなくて名前ですよ、名前」
「だからそのほもだです。ほもだ ほもおです」
それを聞くとチュウは立ち上がり窓を開けて叫んだー
「ふざけんなー」
「まったくですよね!」
彼も賛同する
「という訳で依頼です!改名に付き合ってください」
「ひとりで行けバカ、消えろ」
「ひでぇ」
「まぁまぁふたりともお茶でも飲んで落ち着いて」
そういうと一人はその人物が出したお茶を無視し、
一人はお茶を飲んだ で
「うげまずっ!!なにコレネジ?まずぅぺっ泥水とか便所の水のほううまい、ト、トイレどこトイレいやもういい自分さがおええええ」
彼は外へと消えていった
「ただいま」
「あっ帰ってきたんですか、はい水」
「いやいい、便所の水が旨かったから」
「お前頭大丈夫か?、とにかく改名するくらい一人くらいで行けるだろ、それにお前最近二十歳になったらしいじゃねーか、なおさらだ」
「その感じ、私のことを知らないんですね、たしかに中川、桃華財閥に比べれば下の下ですけども」
チュウはセリフに引っ掛かりを、違和感を覚える
「なんだお前自分が財閥の息子みたいな言いぐさ」
「だからそうなんですって」
お前が、その名前でという目で依頼人を見る一同
それを無視して話を進める
「家の穂摸妥財閥の当主つまり私の父は他人に厳しい性格なんですよ、子供の頃
バカにされて改名したいと頼んだら1、2発ぶん殴られまして、二十歳になった時
遂にこの時がきた!と思ったのですが」
「父親に妨害され、うちらに頼みに来たと」
「そうです」
「うーん、こっちのほういくらだせる」
チュウがお地蔵さんのポーズをいやらしくとる
すると穂摸男は人差し指一つ立てる
「なるほど、受けよう」
二人は固い握手をする
「といっても向こうもたいしたことはしてこないだろう」
「相手」を甘く見てはいけません!ちゃんと武装を」
「はいはい」
熱く語られいやいや準備してる素振りを見せる
「じゃあ市役所いくか」
「行ってらっしゃーい」
「頑張れ」
「バカ、お前は来い」
「はい今回の犠牲者決定」
「いざこられっごうだ」
そう言って玄関のドアを開けると戦車がいた で
銃口がこちらを向いていた
「あっ死んだ」
『撃て―』 野太い声が響く、そして弾は発射された
「いや死なない」
よく見るとチュウは砲弾を片手で受け止めていた
「これぞ自分流神拳奥義強さアピール」
「まっ確かに、ちょっと小物臭もするけど」
そんな話をしていると戦車の蓋が空き、中から人が出てきた
「おかしい、なぜ生きているんだ!」
「父さん!!」
「えっー親じきじきに殺しに来たの!!」
するとそのとんでもオヤジはこちらを凝視しなにかを発見するとこちらへとはや走りで向かってきた
「こらー貴様!やはりこんな所にいたな、改名だなんでバカなこと考えずに早く家に帰るぞ」
「いやだ、僕は改名するんだい」
「子供みたいなこといってないで早く行くぞ」
「子供はどっちなんだか」ぼそっとチュウ それが聞こえたのか
「誰が子供だ、貴様のようなふざけた奴に何がわかる」 今度はチュウがカチン
「名前に決まってるだろ、穂摸男なんて子供がつける名前じゃあるまいしふざけすぎだこのバカ禿オヤジ」
「まだ禿とらんわ、アデランスもしてるしフッサフサさ」
「アデランスに頼って時点でもう禿を認めてるんだよバカが」
「クーなんだこのむかつくガキみたいなやつは」
怒り心頭お父さんを後目にチュウはバカと穂摸男の手をつなぐ」
「チュウを俺はそんな趣味ないぞ」 「私もです」
「なに勘違いしてるんだ行くぞ 奥義好きだと言ったらその隙にテレポーテーション!!」
そう言うとチュウら三人の回りが白いシャボン玉のような膜で覆われそれが破裂した時彼らの姿はなくなっていた
「とにかく帰る、ってあれどこ行った、逃げたか」
「ついた市役所だここで改名できるはずだ」
(チュウさん達の世界では役所に届けるだけで改名が可能です、実際は家庭裁判所に申請を求めたりなどが必要なようです)
「そういえばどんな名前にするんだ」
歩きながら疑問に気になっていたことを話す
「そうでしたね、紙に書いてきたんですよほら」
その紙にはこう書かれていた
”穂摸妥 良子勝大樹蝶野村雨浩介木村尊氏信長秀吉公平奈落無糖微糖大甘カイジカエラサダキヨまるこあさり藤宮ダンモロボシトーリ当麻正人正也大和以下略”
「寿限無っ・・・・」
「というか苗字っぽい名前も交じってないか!!」
「ええ私の好きなOR欲しい名前を全部詰め込みました、では申請してきます」
15秒後
「長すぎるって」
妥協したすえ ”穂摸妥 良良(ほもだ よしよし)になったそうです
「どこをどう妥協したんだ???」
つづく
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