第5話 教育番組の作り方
チュウには謎がある。というかなぞしかない。
・なぜ車をあんな軽々持ち上げ投げれるのか
・なぜワープでもしたかのような速さで走れるのか
なぜ・・・
「おいバカなに考えてんだっ!」
とつぜん頭をグーで殴られ頭をペコちゃん人形のようにふるわせながら
意識を戻す。
「いって!なんじゃい、なにすんじゃい」
「仕事だ」
そう言うとチュウとナナシは順に外にでて行った、どうやら今日はエビフライさんはいないようだ、遅れるとまたなにか言われるので急いで外に出る。外にでるとタクシーが一台待機していた。
「今日はコレで行くのか?」
「ああどっかの誰かさんがビルに車を突っ込ませちゃったからな只今修理工場行きだ」
「どっかの誰かってお前じゃん」
「うるへー、ほら乗れ」
車にナナシが助手席、後ろにチュウ、バカの順に乗り込む。
「お客さんどちらまで?」
「TV局、大丈夫TVまで頼む」
・
「お客さん今日はどういった御用で」
「で、今日はどんな依頼なんだ?」
「テレビ局から児童教育番組に出てほしいと電話があってな」
「へーそりゃまたなぜあなたに」
「なんで悪影響の塊みたいなお前を」
「そーなんだよな俺みたいなやつに」
「さっきから妙に会話が成立しているような」
そんなこんなで、
「おっしゃーついた、バカ金」
「はいはいって、金ねーのかよ」
ノリツッコミ
「しょうがないなこの俺の特製財布からだすか」
そう言って出したのは普通の財布、その財布からクレジットカードをだし、運転手にわたしんん!!?
「おい!そのカード・・・俺のじゃね」
「そーかもな」
・・・。と沈黙。
「ふざけんなー」
「へいまいど」
「なんだそのテンション」
殴りかかる俺をチュウは腕一つで止める、そんな光景を無視して運転手は車を発進させ過ぎ去る。
「なんてことだ・・・・」
「さぁ依頼人を待たすのはよくない行くぞ」
「俺によくないという感情は一切ないのか」
「ない」
きっぱりという擬音が聞こえてくる。
「ううう」
泣く大の男一人を後目に二人は目の前のテレビ局の入り口へと歩く。
「悪魔め」
・
「いやー待ってたよぅ」
「依頼人のいやん大輔(35)独身だ」
「よろしくぅ」
語尾がいちいち小さくなるこの男、グラサンにゼブラポロシャツにマフラーみたいなものを首に巻いている、確実にプロデューサーだ。間違ってたら恥ずかしいが。
「彼はプロデューサーだ」
「知ってる」
「えっなんでぇ」
つい口に出してしまった。
「いやなんとなくっすよなんとなくはははh」
「まぁいいや来て来てぇ」
そう手招きされながらそこへ向かうとそこあったものは。
「子供用の服?」
「そう、いまから三人には子供になってもらうわんっ」
「いや無理だろ」
「それもそうねぇ」
「二人とも諦めはやっ!!」
「じゃあお前だけ着るか?」
「いえ無理です」
「でもどうするんですか」
「あとはあれ立て看板ねぇ、あっこ首から上をあなたたちの顔にしてもらう」
「寝そべりながらの体制はきついぞ」
「とりあえずやってみましょう」
ナナシの一存でやってみることになったのだが・・・。
「では行きます本番5秒前」
「えっ!練習ないの」
「人生はいつも本番よー、練習なんてないのぅ」
「いやそんな名言てきなのいらないですから」
「2、・・・、キュー」
「いやキュー言うんかい」
バカのツッコミと共に始まった(なぜかキューの声は入らず)
「ひらけっ!パンチッキ」
ここで説明しよう、このひらけ!パンチッキは今年で放送30周年を迎える毎週金曜日朝7時に放送されている歴史的番組である。
司会進行のお兄さんとアシスタントのおっさん、子供目線の子ウサギシスターズ7人組が話を展開していく番組である。そして毎週ゲストとしてお兄さんらに質問をする一般枠があるのだがそれに出演するはずだった子供らが全員熱で倒れてしまい。埋めるコーナーも思いつか なかったのでチュウに助けを求めたのだという。
(しっかし無理があるよなぁ子供の代役とは)
「さーて今日のゲストたちは~この子たちだ!!」
(そういえばどうやって歩かせるんだよ!というかこれ生放送なのか事故になるぞ 絶対)
「はーい」
(声もそのまんまかよ!ボイスチェンジャーとかで声若くしないのかよ)
「はいカーット」
「このタイミングで」
「やっとしゃべったか」
「いや無理だろ」
「なにが子役か?」
「あたりまえだ」
「さすがに無理がありますよ」
「そうかじゃあ」
そういうとチュウは後ろに後ずさり。
「おい何する気だおい」
「自分流神拳奥義!退化ビーム1997」
そう叫ぶと彼のかまえた両手から黄色いビームが放たれたで撃たれた。
「げー」
「きゃー」
・
「んんなんだいまの・・・?」
目が覚めると体が縮んでいた
「なんじゃこりゃーおい」
「それじゃ始めるぞ」
「チュウお前は一体・・・・・」
つづく
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