第3話 ジューンブライドの軌跡と悲劇 後編

前回のあらすじ

と、いうかまだ3話なんですか?

「いてて…ここは?」

 ナナシが目を覚ました、場所は車の中。正確にはビルの中の車の中。

「たしかチュウの奴にここまで投げ飛ばされて」

「う~ん」

 続いてバカとよーこも目覚める。最悪の目覚めであるが。

「というかいったいここはなんのビルなんだ」

「チュウさんのことだからなにか考えあってここに飛ばしたとは

 思うんですが・・・」

「もしかしてここ8月の花嫁のアジトなんじゃ」

 そう今一度思い出してほしいが、今回の目的はその犯罪集団”8月の花嫁”にさらわれた新郎 ”あかさたーな”を助け出すことにあった。

「なるほど!だからこいつら、俺たちに銃を向けているわけだな」

 そして彼らは絶対絶命のピンチにあった。

「なんだお前ら!」

「どこから入った」

「この穴からか」

「こんな穴あったか?」

 そしてそれぞれ思い思いのことを喚いている

「わらわらと湧いてきますね」

「さてはてどうしたものか・・・・ん?」

 すると奥からなにもしゃべらずただひたすらにこちらを見ながら

向かってくる男がいた。そのオーラはまさしく。

「「「THE・BOSS」」」

「君たちか侵入者というのは、申し遅れる前に言っておこう、私はこのアホどもの社長、8月の花嫁ボスだ」

 組織を隠す気があるのかないのかわからないがこいつがボスらしい。

「はじめまして」

 ナナシの言葉に続き二人も頭を下げる。

(どうやら私があの式場にいたことはバレていないみたいここは初対面のフリを)

「ん~~~で、君たちはここになんのようかな」

 その発言を言われたとき3人の脳は回転を始めた花婿を取り返しに来たというのが本当だがそれを言う訳にはいかない、ならどういうかここに来たことだけを言う、投げ飛ばされてここまで来ましたと・・・・・信用される訳がない。しかし他に手はない気がする。三人は顔を見合わせ覚悟を決めると口を開いた。

「「「車を投げ飛ばされて気がついたらここにいました」」」

「嘘をつけ―!!!!!!!」   

 パーン    

「やっぱり」

 ボスはズボンの後ろポケットにかくしていた拳銃を抜き天井に向けて発砲した。

「お前ら俺がいかにも優しい顔と声で話すからって調子に乗りやがって」

「いや嘘じゃないんですって」

「じゃあどの部分を信じればいいんだ?」

「全部」

「ふざけるなー」        

 パーンと2発目の銃声。

「だから言いたくなかったんだ」

「とにかくもう出ていけ」

「出ていきますよ、まったく」

 こうしていちようながら臭い納豆カーからは脱出に成功した。

「さてどうするか」

「とりやえずチュウを待ちますか」

「もう来ている」

 その声をたどると後ろに男・戦田ヶ原チュウがいた。

「お前のせいでさっきまでとんでもない目にだなぁ・・・」

「それよりお前らここの連中に顔を覚えられたらしいな、どうやって再潜入するべきか考えねばならんなぁ」

「確かにそうですね」

「・・・無視ですか」

「そうだこうしよう」

 そういうとチュウさんは走りだし、、、、何かをもって帰ってきた。

「これに着替えなさい」

「これは・・・・・」

ピンポーン 

「はーい」

「すいません、お届けものです」

「なにそれ」

「でかい家具みたいですけど」

「あーわかんないけどとりあえず入って」

「はーい、しつれいしまーす」

 懸命な読者の諸君ならわかるだろうこの宅配業者こそチュウさんらその人である。

「なんとか再潜入できたな」

「罠だと思いますけど」

「罠でもなんでもいいさ、入ることができたんだから」

「まぁそうだけども・・・狭いっ!!」

 そう実は今現在チュウとナナシが宅配業者に、箱の中によーことバカが入っている。その二人が入っている箱は台車に乗せて運んでいる。

「さすがに段ボールに人2人はきついですね」

「一人でもきついよ」

「おいお前ら黙ってろ、きたぞ」

 前からさっきインターホンにでた男がやってきた。

「これか・・・思ったよりでかいな」

「ここにハンコを」

「はいはい」

「それから・・・」

「なんだ?」

「前を通りまーーーす!!!」

 そう言うとチュウとナナシは箱の乗った台車を押しかけだした、で、前にいた奴を引きとばした。

「えっなにぃぐばぁっ!」

 よくわからない奇声を上げた奴 仮に戦闘員Aを尻目にチュウさんらは走る走る。

「っておい!どこに向かって走っているんだ?」

「とにかく上だ」

 そうゆうと2人は近くにあった階段を台車ごと乱暴に上り始めた

 その結果、

「「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛」」

「「うるさい」」

「悪魔どもめ」

「おっしゃゴールだ」

「やっとおわるか」

「そしてカーブ」

「おいいたぞ!!侵入者だ」

「ようやくばれた」

「かまわん、うてー 殺せーー」

 戦闘員Bがさけぶのと同時にのこりの戦闘員CDEFGが銃を抜き発砲してきた。

「容赦ねぇなー」

「どっかの誰かに似てるな」

「とにかく走って逃げるぞ」

 ダッシュダッシュダッシュ逃げる逃げる逃げる

 飛ぶ弾、駆ける足、叫ぶ、回るタイヤ、狭い箱の中

 様々な邂逅渦巻く中でチュウは一つのことに気が付く、同じ場所をグルグル回っているだけだと、どこかでこのループを抜けなくてはいけない。

チュウが思ったときとあるものが目に入った。

「ここだー!!」

 そういい、押すと開くタイプのドアにぶつかり侵入する、そこは”ボスの部屋”と書かれる扉があった。

「ふぅーでこの部屋はなんだ」

「ここはボスの部屋、ようこそしん・・・」

「先制こーげーき」

 そうゆうとチュウはボスの顔面をぶん殴った。

「ちょ!なにすんのーさ」

「先制攻撃」

「ひでぇな」

「さて死ぬ前に言っておきたいことはあるか?」

「しかも殺す気だし」

 するとダンボールが開きよーこがでてきた、ついでにバカも。

「なんで私たちの、いろいろな人の結婚式を邪魔するんですか!!」

「ふんいいだろう教えてやろう」

「手短にな」

「チュウさんは黙っててください」

「世間はジューンブライドとかいって6月に結婚できるなどとうそぶきよるがいつ結婚しようと変わらないのにな、ふざけやがって」

「ただそれだけの理由で」

「ああ、ふざけた考えに乗せられた人々を救済してやっているのだ」

「もうええわ」 

 そういうとチュウは再び顔面に拳を放った。

「ぶぇへ」   

 なさけない声をだしてボスが後方に吹っ飛ぶ。

「しょーもないなお前、お前はただうらやましかっただけじゃないのか」

「くくくそうかも、な・・・しかし!ここでは終わらん」

 そういうとボスは部屋の一番奥にあった机に近づき引き出しを開けた、

 その中から取り出したのはテレビのリモコンだった。

「いでよウルトラ回収マシン!!」

「ウルトラ回収マシンだと、テレビのリモコンじゃないのか!!」

「そうだこれがあれば私が設定したものを回収してくれるのだ」

「回収・・・・・まさか!!こいつら!!」

 チュウはボスのもとに駆け寄りこう叫んだ、

  「テメーらただのご祝儀泥棒じゃねーか!!!」

 でまた殴った。


                 8月の花嫁編   完

                           つづく








 

 













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