第3話 ジューンブライドの軌跡と悲劇 中編
前回のあらすじ
前回を読め。
・
「今思ったんですけど車ってあれのことですよね」
「あれ以外の何があるというのだねナナシ君、あれだよぉあれぇ」
嫌な空気が漂う、そしてそれは臭いとなって現れた。
「くさっ!」
「なんだこの異臭は」
「未だなれないこのにおいっ!」
「何を言うんだお前らこれは神聖なジャパニーズ納豆の臭いだぞ」
そう、それは納豆の臭いだった。ただの納豆ではない、何十何百という納豆が一斉に腐った時のような(そんな臭い嗅いだことないが)とにかく臭い、ただただ臭い。
「この臭いだったからこそこの車は二千円で買えたんだぞ」
「二千円・・・・」
「おらお前ら早く乗り込め―!!!」
こうして渋々3人は乗り込んだ、渋々、渋々。
「うえっ、中に入るとますます臭い。早く行きましょう」
「えっーとぉカーナビもしくは地図は?いやあれを使おう」
「地図はあったけどこれ世界地図だぞ(1972年版)」
「なんだかもういろいろと古い」
「よし!勘で行きます」
「やっぱり私降ります、走ったほうが早い」
ナナシはそういうも、もう時すでに遅し、車は発進した。
「うわ走りだすとさらに臭いが、、、、うっぷ、吐きそう」
「わ、わたしも」
「次左」
車はあきらかに80キロを超えるスピードで爆走するあたり一帯に強烈なにおいをまき散らしながらその臭いに犬は倒れ、草木はしおれ、窓を開けていた周辺住民は窓を閉じる。でも間に合わない。動きの遅い老人は横断歩道を横断途中で足を止める。しかし車も止まるので轢かれることもなかった。よかったのだがよくない気もする。なぜならその臭いの発信源は・・・
「チュウさん!さっ、さっきからおんなじ所グルグル回っているだけなんじゃ」
「そんな訳ないだろ、さっきから右左右左を繰り返して」
「「「それだから一周してるんだろ」」」
「なら次は直進だーーーーー」
「直進って・・・踏切ですけど、まさか!!」
踏切なんてものこの作品内では嫌な予感しかない。しかしぜひそのフラグをこの主人公どのには折り捨てていただきたいものだが
キーーーーーという奇声が聞こえ。
「あっ、エンジン止まった」
「「「死んだー」」」
無理でした。
「そして都合よく遮断機下がりーの」
「電車がぁ」
「来たー」
「ああ無情」
しかしこの男、戦田ヶ原チュウは笑っていたのだ。その笑顔のまま彼はシートベルトを外し外に出た。
「おい!一体なにをする気で」
「この状況を悪化させることでないことを願うますけど」
彼を止める気はもうないようだ、というか、
彼はもう止まれない、止められないということ知っている
諦めのセリフである。
「どっせーい」
その間の抜けた掛け声と共に車は宙に舞った、
チュウは普通に踏切から出た、
そして車に乗ったままの彼らはというと、
「とうやら私たち飛んでいるみたいですね」
「ええ」
「もうなんでもいいよ、助かったし」
以外と普通・・・面白くない反応だった。
「あっ、到着」
バーンという破壊音とともに車はあるビルに突き刺さったのだった。
「あーあ」
「こりゃあまたまずいことに」
懲りずにつづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます